マンションの魅力はセキュリティー
セキュリティからみたマンションの立地
新築分譲マンションの魅力やメリットの1つに「防犯性の高さ」があります。通常マンションはカギー本でセキュリティが保たれる構造になっているので、とても安全性が高いといえます。特に女性はセキュリティには関心があるでしょう。
防犯対策は、マンション自体についている防犯カメラやオートロックなどの部分と管理組合や管理員によるパトロールや声かけなどのソフト部分に分かれます。マンションのセキュリティは、厳重なほど安心ですが、当然ながら設備の費用もかかってきますし、もちろんランニングコストもかかります。また、厳重にすればするほど、自分の部屋に入るのに手間がかかる場合もあります。マンションの立地する場所によって、セキュリティの必要度合いも異なってきますし、マンションが建っている地域によって犯罪の発生率は異なります。それぞれのマンションにあった適切な防犯対策が重要となってきます。駅前型でオープンスペースがあるマンションなどは、敷地内に住人以外の通行もあるので、とくに重要となってきます。最近は、駅直結型で商業施設併用型のマンションでも、住人専用のエントランスを設けるなど、非常に厳しくなってきています。郊外型の古くからの住宅地にあるマンションなどは治安が良い場合もあり、少し前のマンションでは、それほど厳重なセキュリティが要求されなかった場合もあります。しかし、最新のマンションでは安全に対する要求が厳しくなっているので、ほとんどのマンションではその機能は向上しています。
また、マンションの「ランドプラン」も重要です。色とりどりの植栽や池、小山などを配置した素晴らしい庭園をもったマンションは、敷地内の死角にも注意が必要となります。マンションの建物内に「セキュリティーゾーン」を設け、容易に侵入できないようになっているかがチェックポイントです。駐車場から建物内への入り囗や非常階段など、エントランス以外に侵入できるところはないか、1階のバルコニーや専用庭に近づきにくくなっているか、死角になりそうなところには防犯カメラやオートライトなどが設置されているか、などチェックが必要です。完成前のマンションであれば、実際に見ることができないので、図面を見ながら、セキュリティについて営業担当者によく聞いてみることも重要です。デベロッパーによっては、セキュリティについて一定の基準を定めている場合もあります。パンフレットやインターネットでも確認しましょう。
エントランスの防犯設備
多くの人が出入りするマンションのエントランスは、正にセキュリティゲートです。マンションといえば「オートロック」と連想されるように、多くのマンションではオートロックとなっています。オートロックの場合、キーを差込むか暗証番号を入力する必要があり、若干手間がかかりますので、カード式も普及してきました。最近ではキーをかざすだけで開錠できる非接触型キーも増えてきています。さらには指紋認証や網膜認証システムまで登場しています。最近では、キーを持っているだけでリーダーにかざさなくても認証できるシステムが導入されています。キーをかばんに入れたままでもオートロックを開錠できるので、車のキーレスエントリーのように使い勝手が良くなってきています。さらに一部のマンションではバイオメトリクス(生体認証)を採用するものもあります。これは銀行のキャッシュカード等でも採用されていますが、人間の瞳、静脈、顔、指紋などで認証するものです。キーを忘れたり紛失したキーを他人が使ったりする心配がありません。
エントランスに「宅配ロッカー」があるマンションが増えています。宅配業者を装った侵入者もいますので、宅配ロッカーは防犯設備としても効果があります。最近は、オンライン管理された宅配ロッカーもあり、すべての記録が保存されるほか、宅配便が届くと住戸内のインターホンや集合玄関機にランプがついたり、メールで知らせてくれるなどさまざまな機能が付いたものがあります。また、エントランスと共通の非接触キーやカードで開けることができるタイプや、クレジットカードで開錠から支払いなどもできるタイプもあります。これらの設備やシステムは、共用部分ですから個人で勝手に変更することはできません。また変更する場合も費用がかかりますので、最初からセキュリティシステムの優れたマンションを選ぶことが重要です。最近のセキュリティシステムは、携帯と連動しており、外出時に来客があった場合に、モニターで訪問者を録画してスマホに転送するほか、家族が共同玄関を通過したり、宅配ボックスに荷物が届いた時などにもスマホにメールで通知されるシステムもあります。
エレベーターの防犯設備
エレベーターは密室になるので、防犯対策が欠かせないといえるでしょう。少し前までは、エレベーターの扉は中が見えるようにガラス窓が付けられていましたが、最近ではエレベーターの中に防犯カメラがついて、それをエントランス、あるいは各階エレベーターホールで映し出すようになりました。エレベーター内部に防犯カメラが設置されていると、侵入者のチェックやエレベーター内の防犯、いたずら防止などに効果があります。防犯カメラは、その存在自体にも防犯効果があります。また、防犯カメラは効果的に活用できるように死角がないように設置することが重要です。1階のエレベーターホールに防犯カメラのモニターがあり、常にエレベーター内部の様子がわかるようになっているマンションもあります。防犯カメラの映像はすべて録画され、事件などがあった場合には、そのデータを警察などが利用しますが、それ以外では住人のプライバシーもあるので、管理組合で保管の手順を厳重にしておく必要があります。最近は、オートロックと連動したセキュリティを持ったエレベーターもあり、オートロックを開けると、自動的にエレベーターがエントランスのフロアまで下りてくるタイプや、エレベーターに乗るにもキーをかざす必要があるタイプ、また、キーをかざすと自動的に目的階に行くタイプなどもあります。無断侵入者はエレベー・ターを使用できないので、エントランスと並んで二重のゲートセキュリティとなり、防犯性も向上します。
マンションキーは、このように多くのセキュリティに連動している場合があるので、住所が書かれたものと一緒に落とすと悪用される場合も考えられます。紛失しないように気をつけて保管する必要があります。エレベーター内に非常ボタン等が設置されていると、防犯に大きな役割を果たします。ただし、インターホンがエレベーターの管理会社につながっている場合は、防犯用ではなく構造上の事故などの通報用です。非常ボタンを押すとベルが鳴るのか、管理員室や各フロアにつながるのか、エレベーター会社につながるのかなども確認が必要です。
玄関ドアの防犯設備
マンションの専用部分には、玄関ドアは1つしかなく、ここを施錠すれば他には住戸への入り口はありません。「マンションはカギーつで外出できる」といわれる所以です。逆に言えば、住戸への唯一の入り囗なのでセキュリティ対策も大変重要となります。ドアの材質ですが、ほとんどは丈夫な鉄製となっています。ドア自体を破壊して侵入ということは考えづらいです。そこで玄関ドアの「鍵」の防犯性能が重要となってきます。
以前、「ピッキング」といって、針金のような道具でキーを開けて侵入する犯罪が発生しましたが、これは主に一部の旧型のフンリンダーキー」が狙われていました。最近のマンションでは簡単にピッキングされるような鍵はほとんど採用されていません。ピッキングに強い「ディンプルキー」や「電子錠」、「ダブルロック」など、防犯対策が講じられることが一般的となっています。ドアの内側の施錠用のつまみを外部から操作する「サムターン回し」についても対策が施されていることが多くなっています。ドアスコープが付いている場合は、中の様子を見られないようにフタがついているか確認してください。最近は、ドアスコープの代わりに玄関ドアにもカメラが設置され、室内のインターホンに映像を映す機種も多いです。録画・録音機能がついたインターホンもあります。他にもドアのこじ開け防止対策などが施されている場合もあります。
住戸内の防犯設備
住戸内では「ガラス」が弱い部分なので、窓の防犯がとても重要です。侵入窃盗の手口は「無施錠」の場所からの侵入が最も多く、次に「ガラス破り」となっています。窓ガラスを破って、サッシの内側のクレセント錠を回して侵入します。ガラスを破る方法はこじ破り、打ち破り、焼破りなどの手口があります。バルコニー側の窓ガラスは、1階部分だけでなく、最上階なども屋上をつたって侵入される危険があります。中間階なども雨どいをつたって侵入する例もあります。どの階も注意が必要です。
ガラス破り対策としては、ガラス自体の強度が大きく影響します。ペアガラスはガラスが二重で中に空気層があります。ガラスが2枚あり、中間層にこじ開けの破片が入るので1枚ガラスよりはこじ開けに強くなっています。さらに中間層にビニールやポリ素材などの中間膜をはさみこんで強化した防犯ガラスもあります。気をつけてほしいのは、通りに而している窓などに金網入りのガラスが使用されていることがありますが、これは火災の時に熱で割れて延焼することを防ぐためのものですので、防犯効果はありません。サッシの錠が二重になっていたり、キーを使うタイプのものは、非常に防犯効果が高くなります。通路に面した窓には格子が設置されていますが、この格子も簡単に抜けたり、ドライバーでネジを抜くことができないようになっているかチェックが必要です。最近のマンションでは警備会社などと契約して、異常があった場合にスタッフが駆けつけるセキュリティシステムも増えています。マンション購入の際には、そういったシステムや防犯装置についてもよく確認しましょう。
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