マンションの最上階は後悔する?【メリットやチェックポイント】

マンションの基礎知識

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マンションの最上階に住んだ人は後悔する?

マンションの最上階からの眺め

最上階なら眺望も日当たりもいいし最高じゃんと楽観的に考えていませんか?

多くの人が憧れる最上階の住まい、その実態とは?

マンションの最上階というと、眺望の良さに比べてプレミア感もあることから、いいイメージを抱えている方も多く、デメリットがあまりピックアップされていない傾向にあります。そのため、最初から「眺望が最高で日当たりもいいし特別感がある」「資産性もありそう」といった良い面に引っ張られて購入を決めてしまうことがあります。

しかし実は、買って後悔した意外な落とし穴とも言える注意すべきポイントがあるのです。それを知らずに購入してしまうと、住み始めてからトラブルが発生したり、想定以上のランニングコストがかかって資金計画が狂ってしまったりと後悔することになるかもしれません。

 

最上階のメリット

そもそもマンションの最上階にはどんなメリットがあるのでしょうか?単に「価格が高そう」「お金持ちが住んでいそう」というざっくりとしたイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。まずは多くの人が憧れる理由でもある、マンション最上階のメリットを解説していきます。

プレミア感

マンションの最上階には他の階にはない特別な魅力があります。最上階は限られた戸数しか存在しないため希少性が高く、他の階とは一線を画すような特別な価値を持っています。マンションの中でもっとも高い位置にあるというだけで特別感を感じる方も多いでしょう。

実際、最上階にはワンフロアに数個しかないペントハウスと言われるような解放感のある設計や、専有部分の広さ、専用の設備が用意されていることもあります。また、限られた人しか住めないという属性上、住まいとしてのステータスを感じられるので、「せっかくマンションを買うなら最上階がいい」という憧れを持つ方が多いのもこのプレミア感につながっています。

 

知らないと危険!最上階の意外な落とし穴

これまでのメリットを聞いて、「やっぱり最上階はいいな」と感じられた方も多いかと思います。しかし冒頭でもお伝えしたように、実は知らないと危険な最上階の意外な落とし穴があるのです。マンションの最上階を検討している方は、ぜひこれからお話する落とし穴についても必ず知っておいてください。

価格が高い

最上階の住戸は一般的に他の階と比べて価格が高くなります。これは先ほど解説したメリット部分が反映されているからですが、最上階の希少性や眺望の良さが評価されているからでもあります。

また、最上階は他の階よりも専有面積が広めに設計されていることが多く、その分管理費や修繕積立金も専有面積割になりますので高くなる傾向があります。

将来的に売ることを考えると、購入価格に見合うリセールバリューがあるのかという点も考える必要があるので、最上階だから将来的に絶対高値で売れると思い込んでしまうのは危険です。

騒音リスクがある

最上階は上の階の音がないというメリットがありますが、別の騒音リスクがあります。例えば屋上にある設備の音です。室外機やアンテナ、給水ポンプなどの機械音が気になるケースがあります。

例えば屋上に室外機がまとめられていると、一斉に稼働したタイミングで駆動音が気になるという話をよく聞きます。また、アンテナも強風が吹くとそれが揺れて「カタカタ」という上からの音が気になってしまったりします。

高層階になるほど風が強くなるので、暴風時に部屋の窓が「ガタガタ」と揺れることも起こりやすくなります。周りが静かな分、余計にこのような音が気になることも考えられます。

想定以上に暑い

最上階の最大のデメリットと言えるのが夏場の暑さです。日当たりがいいという点は大きなメリットではありますが、一方で部屋が直射日光を受けるので熱がこもりやすくなります。

また、断熱対策が不十分な物件では冷房をつけてもなかなか涼しくならないので、エアコンの使用頻度が増えて電気代もかさむといったことも現実的に起こります。

実際、エアコンをフル稼働させても部屋がなかなか冷えなくて夏の電気代が1.5倍に増え、「事前に断熱性能を確認すればよかった」という相談も受けたことがあります。

水圧が弱い

最上階では必ずではありませんが、水道の水圧が弱くなるケースが結構頻発します。特に屋上のタンクから各フロアに水を送る方式である重力給水方式の場合は、シャワーの水圧が弱かったり、お風呂や洗面台の水の出が悪かったりします。

場合によっては「改善できません、これが限界です」と管理会社に言われるといったトラブルが発生することもあります。こういったトラブルから、最上階に住んでからシャワーの水圧が弱くてストレスを感じ、結局引っ越してしまったという方もいらっしゃいます。

災害時や防犯上のリスク

災害時のリスク比較
リスク要因 最上階 高層階 中層階 低層階 備考
地震時の揺れ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★☆☆☆ 高層になるほど揺れが大きくなる
避難の困難さ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★☆☆☆ 階段での避難が必要な場合、高層ほど時間がかかる
停電時の影響 ★★★★★ ★★★★★ ★★★☆☆ ★★☆☆☆ エレベーターが使えなくなる
断水時の影響 ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★☆☆☆ 給水ポンプが停止すると上層階ほど影響が大きい

最上階は低層階に比べて災害時や防犯の面でのリスクが高くなります。例えば災害時の避難が大変ということが挙げられます。台風や地震が発生した時に停電してしまってエレベーターが止まってしまうことがありますが、そうなると災害時は避難にエレベーターが使えないので階段での移動が大変です。

さらに地震となると最上階は特に揺れを感じやすいので、部屋の中にいると地上と比べてより揺れへの恐怖を感じるかもしれません。このような災害時のリスクは高層階になればなるほど大きくなるので知っておくべきポイントです。

また、防犯面での懸念もあります。先ほどは最上階であればプライバシーの懸念は少ないというメリットを挙げましたが、それはあくまでも周辺環境や建物の中から入ってくる人に対してです。現在は上から不審者が入ってくる可能性もゼロではありません。屋上からの侵入リスクがある物件の場合、ベランダやルーフバルコニーに降りて窓を破って侵入するケースもありますので、最上階だから絶対に安心ということではありません。

※ボイドスラブが嫌なら、新築マンションは買うな!!

 

最上階を選ぶ時のチェックポイント

最上階選びのチェックポイント重要度

チェックポイント 重要度 確認方法
断熱性能 ★★★★★ 断熱材の種類・厚さの確認、窓の仕様(二重窓か)、遮熱対策の有無
水圧 ★★★★★ シャワーや蛇口を実際に使用、給水方式の確認(加圧給水方式が望ましい)
騒音環境 ★★★★☆ 屋上設備の位置確認、風の強い日に内覧、窓の防音性能確認
方角と住戸の位置 ★★★★☆ 自分のライフスタイルに合った方角選び、角部屋か中部屋かの検討
災害時の対策 ★★★★☆ 非常用電源の有無、避難経路の確認、防災設備の確認
価格の妥当性 ★★★★☆ 同じマンションの他の階との価格差、周辺物件との比較、将来的なリセールバリューの検討

このように最上階には憧れの唯一無二の要素が多い一方で、実際に住んでみると想定外の問題に直面することも少なくありません。そのため購入前に十分なリサーチを行って、自分たちのライフスタイルに本当に合っているのかを確認することが大切です。

そこで最後に、中古マンション取引件数2500件以上の経験を持つ不動産のプロが、最上階を選ぶ時のチェックポイントを解説します。

階数だけでなく方角や住戸の位置も検討する

これまで階数に関する話をしてきましたが、もちろんマンション選びのポイントはこの階数だけではありません。暮らしやすさは方角や住戸の位置も非常に重要なポイントです。

マンションの方角別特徴
方角 メリット デメリット 向いている人
南向き 日当たりが良い、人気が高い 価格が高い 冬の寒さが苦手な人、日当たりを重視する人、リセールバリューを検討したい人
東向き 朝日が差し込む、早起きに適している 午後は日が当たらない 朝方の生活をする人、午前中の明るさを重視する人
西向き 夕方から夜にかけて明るい 午後の日差しが強く、夏場は暑さを感じる 冬の寒さが苦手な人、仕事などで日中家を空けることが多い人
北向き 価格が抑えられる、一定の明るさが保たれる 日当たりが少ない 夏の暑さが苦手な人、安定した温度環境を求める人、日中あまり家にいない人
住戸の位置による違い
角部屋
  • 窓が多く通風や採光に優れている
  • プライバシーが確保しやすい
  • 価格が高めな傾向がある

【向いている人】開放感を重視する人、静かな住環境を求める人、窓を多く取りたい人

中部屋
  • 価格が抑えられる
  • 暖房効率がいい
  • 隣接住戸からの生活音が気になる場合がある

【向いている人】コストを抑えたい人、暖房の効率を重視する人、日当たりよりも温度の安定を重視する人

同じ最上階でも選ぶ方角や住戸の位置によってデメリットを解消できる可能性がありますので、しっかり確認するようにしてください。

コストに見合う仕様なのか

前半で解説したように、最上階は他の階に比べて価格が高く設定されることが多いです。しかし、この高く設定されるのがベースだとしても、その価格が妥当なのかどうかは常にチェックするようにしましょう。

チェックポイント
  • 眺望や広さ、設備などが低層階の価格設定と比較して、上乗せされている価格に見合っているか
  • 最上階のプレミア感ということで価格が他の階よりもかなり高く設定されているにも関わらず、内装のレベルが他の住戸とあまり変わらない場合は、利益を多く上乗せされている可能性がある
  • 最上階は広い部屋が多いので、管理費や修繕積立金も専有面積が広い分高くなる傾向がある。長期的なコストも考慮する

内覧をして「眺望が良かった」からとそのままの勢いで購入を決めてしまう方もいらっしゃると思いますが、一度冷静に価値があるかどうか確認するようにしましょう。

内覧して直接確認すること

今回の記事でも意外な落とし穴として紹介してきましたが、騒音、水圧、暑さは内覧してみないとどうしても分からないポイントなので、必ず現地で確認するようにしましょう。

水圧

最上階では水圧が弱くなる可能性があることは必ず頭に入れておいてください。シャワーや蛇口を実際に使わせていただいて、水の出方を確認してください。

暑さ

最上階は直射日光を受けやすく、夏場は室温が上がりやすいです。断熱材の使用状況やエアコンの効き具合を確認して、暑さ対策が十分かどうかチェックしてみてください。

騒音

上階からの音はありませんが、屋上設備の動作音や風切り音などが気になる場合があります。内覧時に周囲の音環境を確認して、静かさを確保できるかを判断しましょう。

状況的に確認することが難しければ、担当の不動産業者さん経由で売主さんに直接確認してもらうこともできますので、後から後悔しないようにチェックしてみてください。

 

まとめ【最上階に住む前に知っておくべきこと】

いかがでしたでしょうか。今回は「マンションの最上階に住んだ人の末路」というテーマで解説してきました。眺望の良さ、開放感、プレミア感など最上階ならではの魅力はたくさんありますが、一方で暑さ、水圧の弱さ、騒音、災害のリスクなど意外な落とし穴もあることがわかりました。

特に最上階に住んでみたら想像以上にストレスだったと後悔している人も意外と多いのです。最上階購入前にしっかりとチェックポイントを抑えておくことが大切です。

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この記事を書いた人
﨑ちゃん

新築マンションに携わって30年!!企画から販売、物件マネージャーまで。最近では仲介もやってます。宅建・FP2級・管理士持ってます。趣味が嵩じて大型バイク・潜水士も持ってます。好きなデべは地所さん、野村さん、明和さん、住不さん。

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