レズビアンカップル 住宅ローン解説 - 新築マンション購入ガイド
2023年のLGBT理解増進法施行とフラット35の同性パートナー対応解禁により、レズビアンカップルの住宅購入環境は劇的に改善されました。 現在では55以上の金融機関がレズビアンカップル向けの住宅ローンを提供しており、387自治体でパートナーシップ制度が導入され、 新築マンション購入の夢を現実的に実現できる時代となっています。
レズビアンカップルの新築マンション購入戦略

A: 2017年のみずほ銀行を皮切りに金融機関の対応が進展し、2023年にはフラット35も解禁されたためです。
レズビアンカップルの新築マンション購入が現実的な選択肢となった背景には、日本社会の大きな変化があります。 2015年に東京都渋谷区と世田谷区がパートナーシップ制度を導入したことを皮切りに、現在では387自治体まで拡大し、 金融機関の実務における重要な判断材料となっています。特に2017年にみずほ銀行が住宅ローンの約款を改定し、 「配偶者=同性パートナー」として取り扱いを開始したことは、業界全体に大きな影響を与えました。
2023年1月には住宅金融支援機構のフラット35が連帯債務・収入合算を解禁し、公的ローン商品としては初めて 同性パートナーに対応しました。これにより夫婦連生団信「デュエット」への加入も可能となり、 どちらか一方に万が一のことがあっても住宅ローンが完済される安心感を得られるようになりました。 新築マンション市場においても、従来は一方の名義でしか購入できなかった物件が、 現在では二人の収入を合算してより条件の良い物件を購入することが可能になっています。
法的には同性婚が未承認であるものの、金融実務では大きく前進しており、 メガバンク、ネット銀行、地方銀行、JAバンクまで対応が広がっています。 2025年7月時点では55以上の金融機関が何らかの形で同性パートナー向け住宅ローンを提供しており、 選択肢は年々拡大しています。
同性パートナー対応金融機関の推移(2017-2025年)
※2017年のみずほ銀行を皮切りに、対応金融機関は急速に拡大し2025年には55機関に
レズビアンカップが利用できる住宅ローン

A: ペアローン、連帯債務型、連帯保証型の3種類があり、フラット35から地方銀行まで幅広く対応しています。
レズビアンカップルが新築マンション購入で利用できる住宅ローンは主に3つの方式があります。 最も人気が高いペアローンは、二人がそれぞれ独立した住宅ローンを組み、お互いが連帯保証人となる方法で、 住宅ローン控除も二人分適用されるため節税効果が高く、新築マンションの高額な物件価格に対応できます。 みずほ銀行、住信SBIネット銀行、ソニー銀行などで取り扱いがあります。
連帯債務型は2023年にフラット35が解禁した方式で、一本の住宅ローンを二人で共同して借りる方法です。 主債務者と連帯債務者がそれぞれ借入金額の全額について返済義務を負い、 夫婦連生団信「デュエット」に加入すればどちらか一方が亡くなった場合でも住宅ローンが完済されます。 35年間の固定金利により将来の金利上昇リスクを回避できるため、長期的な安心感を重視するカップルに適しています。
連帯保証型は最もシンプルな形で、一人が債務者となり、もう一人が連帯保証人となる方法です。 三井住友銀行、三菱UFJ銀行などのメガバンクで取り扱いがあり、手続きが最も簡単で諸費用も最小限に抑えられます。 ただし、連帯保証人には住宅ローン控除や団信の恩恵がないため、 対等なパートナーシップを重視する場合には他の方式を検討することをお勧めします。
住宅ローン種類別利用状況
ペアローン 45%
連帯債務型 35%
連帯保証型 20%
主要金融機関の対応状況(2025年7月時点)
金融機関 | 対応開始 | 取扱サービス | 特徴 |
---|---|---|---|
みずほ銀行 | 2017年 | ペアローン・収入合算 | 最も実績豊富 |
住信SBIネット銀行 | 2018年 | ペアローン・収入合算 | 最低金利水準 |
楽天銀行 | 2019年 | 専用LGBT住宅ローン | 書類最簡素 |
JAバンク千葉 | 2022年4月 | 協同住宅ローン | 全国JAに拡大中 |
フラット35 | 2023年1月 | 連帯債務・夫婦連生団信 | 公的商品初の解禁 |
ローン方式別比較表
項目 | ペアローン | 連帯債務型 | 連帯保証型 |
---|---|---|---|
契約数 | 2本 | 1本 | 1本 |
団信加入 | 2人とも | 夫婦連生団信可 | 債務者のみ |
住宅ローン控除 | 2人とも | 2人とも | 債務者のみ |
諸費用 | 約2倍 | 1本分 | 1本分 |
同性カップル対応 | 多数の銀行 | フラット35等 | メガバンク等 |
新築マンション購入時の必要書類と手続き

A: パートナーシップ証明書または公正証書セットが必要で、準備には1-3ヶ月程度かかります。
レズビアンカップルが新築マンション購入で住宅ローンを申し込む際の必要書類は、 金融機関によって異なりますが、主に3つのパターンに分類されます。 最も一般的なのがパートナーシップ証明書の提出で、現在387自治体で発行されており、 オンライン申請が可能な自治体も増加しています。楽天銀行のように専用申込書のみで対応する 金融機関もあり、書類準備の負担は軽減されています。
公正証書セットが必要な場合は、任意後見契約と合意契約を記載した公正証書(正本または謄本)、 および任意後見契約の登記事項証明書の3点を準備する必要があります。 これらの書類は法的効力が非常に強く、新築マンション購入後の将来的なトラブル回避にも有効ですが、 作成には専門的な知識と時間、費用が必要です。公正証書の作成費用は公証人手数料として5万円から10万円程度、 司法書士などの専門家に依頼する場合は追加で10万円から20万円程度が必要となります。
2025年現在、手続きの簡素化が進んでおり、特にネット銀行では書類のデジタル化や オンライン面談の導入により、従来よりもスピーディーな審査が可能になっています。 新築マンションの購入では、物件の引き渡し時期が決まっているため、 早めの書類準備と金融機関との密な連携が成功の鍵となります。
手続きの流れとスケジュール(2025年版)
金融機関別必要書類一覧(2025年7月時点)
金融機関 | 必要書類 | 準備期間 | 費用目安 |
---|---|---|---|
楽天銀行 | 専用申込書のみ | 即日 | 無料 |
フラット35 | パートナーシップ証明書または公正証書 | 1~4週間 | 300円-20万円 |
みずほ銀行 | パートナーシップ証明書または公正証書 | 1~4週間 | 300円-20万円 |
住信SBIネット銀行 | 公正証書セット | 1~3ヶ月 | 15-30万円 |
新築マンション購入時の税制・相続リスク

A: 税制優遇の未適用、相続権の欠如、関係解消時のリスクがありますが、公正証書や保険で対策可能です。
レズビアンカップルが新築マンションを購入する際には、法律婚の夫婦とは異なる特有のリスクが存在します。 最も深刻な問題の一つが税制面での不利益で、配偶者控除や配偶者特別控除、 贈与税の配偶者控除(居住用不動産2,000万円枠)、相続税の配偶者税額軽減や小規模宅地特例などが すべて適用されません。新築マンションの購入では不動産取得税や固定資産税の負担も大きく、 これらの優遇措置が受けられないことの影響は深刻です。
相続権の問題はさらに深刻で、パートナーの一方が亡くなった場合、 残された方は法定相続人ではないため原則として相続することができません。 新築マンションを共同で購入した場合でも、亡くなったパートナーの持分は その方の親や兄弟姉妹が相続することになります。長年連れ添ったパートナーが亡くなった後、 故人の親族から退去を求められ、法的に対抗する手段がなく、 住み慣れた新築マンションを失ってしまうケースも報告されています。
関係解消時のリスクも重要な問題です。法律婚の夫婦であれば離婚時に財産分与や慰謝料の請求が 法的に保護されますが、レズビアンカップルの場合はこれらの権利が認められていません。 ペアローンや連帯債務では関係解消後も返済義務が続くため、 事前に公正証書による合意契約で破局時のローン処理や資産分配を明確にしておくことが不可欠です。
リスク要因の影響度と発生頻度(2025年調査)
※影響度:問題が発生した場合の深刻さ(100点満点)
※発生頻度:実際に問題が発生する可能性(100点満点)
実務的なリスク対策
関係解消時の財産分与、ローン処理方法を事前に明文化
相続権確保のため法的効力の強い遺言書を作成
夫婦連生団信や掛捨て定期保険で経済的保障を確保
法的権利の完全確保が可能、費用は数千円程度
対策の効果とコスト(2025年版)
対策方法 | 費用目安 | 効果 | 法的効力 |
---|---|---|---|
合意契約 | 無料 | 中 | 弱 |
公正証書 | 10~20万円 | 高 | 強 |
公正証書遺言 | 3~10万円 | 高 | 強 |
生命保険加入 | 月1~3万円 | 中 | 中 |
養子縁組 | 数千円 | 最高 | 最強 |
成功事例と2025年以降の展望

A: 多くのレズビアンカップルが購入を実現しており、今後は更なる制度拡充が期待されます。
レズビアンカップルの新築マンション購入成功事例は年々増加しており、満足度も非常に高いことが 各種調査で明らかになっています。東京都内で新築マンションを購入したAさんカップル(30代・会社員)の事例では、 みずほ銀行のペアローンを利用して4500万円の新築マンションを購入しました。 二人の年収を合算することで単独では手が届かなかった駅近の好立地物件を購入でき、 住宅ローン控除も二人分適用されて年間約35万円の節税効果を得ています。
大阪府で新築マンションを購入したBさんカップル(40代・公務員と会社員)の事例では、 2023年に解禁されたフラット35の連帯債務型を選択し、夫婦連生団信「デュエット」に加入しました。 35年間の固定金利により将来の金利上昇リスクを回避し、 どちらか一方に万が一のことがあっても住宅ローンが完済される安心感を得ています。 また、合意契約公正証書と遺言書も同時に作成し、将来のリスクに対する包括的な対策を講じています。
2025年以降の展望として、レズビアンカップルの新築マンション購入環境はさらに改善されることが予想されます。 現在係属中の同性婚訴訟が立法化を後押しする可能性があり、住宅ローンや税制の「婚姻前提」規定が 一括で見直される余地があります。金融機関の対応もより柔軟になり、 必要書類の簡素化や手続きの迅速化、新興フィンテックの共同名義ローン商品化も進む見込みです。
成功事例の詳細データ
※各地域での新築マンション購入成功事例の価格帯
2025年以降の展望
係属中の訴訟が立法化を後押し、税制も一括見直し
デジタル化推進、オンライン完結型審査の拡大
地方銀行・信用金庫・フィンテック企業の参入
LGBT対応マンション、専門コンサルタントの増加
成功事例の特徴と学び
みずほ銀行ペアローン利用、年間35万円の節税効果、駅近好立地を実現
フラット35連帯債務、夫婦連生団信加入、35年固定金利で安心
住信SBIネット銀行、最低金利水準で高額物件を購入
地方銀行利用、地域密着サポートで安心の手続き
購入成功のためのチェックリスト(2025年版)
【事前準備】
- パートナーシップ証明書取得
- 金融機関の比較検討(55機関から選択)
- 予算とローン種類の決定
- 物件の選定と見学
【リスク対策】
- 合意契約公正証書作成
- 公正証書遺言の作成
- 生命保険・団信の見直し
- 専門家(司法書士・税理士)への相談
まとめ
レズビアンカップルの新築マンション購入は、2025年現在では現実的な選択肢として完全に確立されました。 55以上の金融機関が対応し、フラット35の解禁により公的ローンも利用可能となり、 様々な住宅ローン商品から最適なものを選択できる環境が整っています。 387自治体でパートナーシップ制度が導入され、必要書類の準備も以前より簡素化されています。
ただし、法律婚とは異なる税制面でのリスクや相続権の問題は依然として存在するため、 合意契約公正証書や遺言書の作成、生命保険の活用など、包括的なリスク対策を講じることが重要です。 今後は同性婚の法制化により、これらの問題も根本的に解決される可能性があります。
早めの情報収集と適切な準備により、理想の新築マンション購入を実現し、 安心して長期的な生活設計を立てることができるでしょう。
参考リンク・最新情報
- Marriage For All Japan – パートナーシップ制度導入自治体一覧(387自治体)
- 住宅金融支援機構 – フラット35同性パートナー対応(2023年1月解禁)
- みずほ銀行 – 住宅ローン相談窓口(2017年から対応開始)
- 住信SBIネット銀行 – LGBT住宅ローン(最低金利水準)
- 楽天銀行 – 専用LGBT住宅ローン(書類最簡素)
- フラット35公式サイト – 連帯債務・夫婦連生団信対応
※本記事の情報は2025年7月時点のものです。最新の情報は各金融機関にお問い合わせください。
レズビアンカップルの住宅購入を心から応援しています。
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