管理形態はどういう方式がベストなのか?

マンションの基礎知識

マンションの管理は何がベスト?

物件のホームページに物件概要があります。そこに「管理形態」という項目が記されています。

これについて神経質になる必要はないでしょう。せいぜい管理人が住み込みか通いかを気にする程度ではないでしょうか。しかし、今時、住み込みの管理形態もないので、100%か通いと考えてよいでしょう。

現実的に実際、購入後にいちばん重要になるのは、マンション管理ではないでしょうか。このように書いても、にわかには信じられないでしょうが、マンション管理は最優先にチェックべきなのです。「マンションは管理を買え」ともいわれるほどです。とくに中古マンションを検討している場合には、物件の立地や築年数や間取り、価格以上に、管理状況を購入の最重要ポイントにしなければならないのです。

分譲マンションは、住居にあたる専有部分とエントランスや廊下、エレベーターや中庭、駐車場に駐輪場、貯水槽など共有部分に分けることができます。区分所有法では、この共有部分を区区分所有法第3条(区分所有者の団体)区分所有者は、全員で建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。と、なっている。ここでいう区分所有者とは、マンションの購入者で各住戸のオーナーのことを指し、「区分所有者の団体」が「管理組合」と呼ばれます。区分所有者になると同時に、自動的に管理組合員となり、共有部分の維持管理の責任を負うことにもなります。なお、管理組合への参加は任意ではなく、すべての区分所有者の義務でもあります。区分所有者である限り、基本的には管理組合を脱退することもできないのが現実です。

また、ときどき管理組合と管理会社を混同している人がいますが、管理組合がクライアントで、管理会社は管理代行業者という立場になりると考えると良いでしょう。すなわち両者はまったく違うものです。通常、管理組合が管理の実務を行うのは難しいということから、多くの管理組合が管理業務を管理会社に委託しているのが実情です。しかし、実態は業務を丸投げしている管理組合が驚くほど多いのが現実です。そうなると、必然的に様々なトラブルが生じる可能性が出てきます。とくに金銭にからんだ問題は大きく、ときにはマンションの資産価値を大幅にダウンさせる事態もありえます。その原因を深く突き詰めれば、区分所有者のひとりひとりが、マンション管理にあまりに無関心であるためです。それぞれが管理者である自覚が欠落しているのが原因です。マンション管理に関しては購入後、管理費や修繕積立金をめぐる金銭の話は、住宅ローンと合わせて購入資金や予算を検討する際に非常に重要になります。

分譲マンションの「管理」、理解して購入していますか?

 

管理の種類 【分譲マンション】

マンション管理について深く知り、事前に細かくチェックしておくことはマンション選びにおいて非常に重要な項目です。どんなに素晴らしい設備の高級なマンションでも、管理というソフト次第で不快な住み心地にもなります。まずは、管理形態のタイプとその特徴を簡単に解説しよう。

【一括委託管理】

区分所有者(各住戸のオーナー)たちが本来自分たちでしなければならない共有部分の維持管理を、管理会社に委託するやり方。全部委託ともいう。新築分譲の場合は、例外なく100%一括委託管理になっている。これは、管理人の派遣から清掃、各種設備点検、管理会計事務など、さまざまな管理業務を一括して委託する方式だ。パック旅行と同じように思っていただければよい。委託する側は面倒がないが、不必要だと思われる管理業務項目が含まれ、全体的に各業務費が高いことが多いのが特徴でもある。管理業務を丸投げできる気楽さはあるが、バカ高い管理委託費を支払わなければならないことも認識しておいていただきたい。新築分譲マンションの場合、チラシの物件概要で「区分所有者全員により管理組合を結成し、管理会社に委託していただきます」となっている。新築分譲では、管理会社がすでに決まっており、おおむね100パーセント近くデベロッパー関連の子会社か、何らかの利益関係のある会社だ。マンションのブランドと同じで、大手デベロッパー系列の管理会社であれば安心だろうというまやかしの幻想があるため、多くの人に疑問を抱かせないようだ。それほどネームバリューとは強いものだ。

「分散管理」

一括委託管理方式に対して、最近増えている管理形態が分散管理方式だ。これは、管理組合が管理会計や管理清掃人の派遣など最低限の業務を管理会社に委託し、各種設備の点検保守などの各業務はそれぞれの専門業者と直接契約するやり方である。ここ10年でその数が増えている。業務を分散させて管理する方式で、管理組合は専門の各業者と交渉して契約をするわずらわしさがあるが、直接契約するために管理会社の中間利益をカットできるメリットがある。言い換えれば、管理業務の中期案業者である「管理会社」を排除した方式だ。一括管理から分散管理に変えただけで、年間に管理費を数百万円から数千万円も節約できるため、多くのマンションで分散管理への動きがある。関東圏のマンションでこの動きが目立っている。当初の管理仕様をそのまま維持することはもちろん、管理仕様の内容を増やすなどオーダーメイド的な管理ができる自由度がある。特に中古物件では今後飛躍的に伸びていく管理方式だろう。そうなると困るのが管理会社だが・・・

「自主管理」

自主管理は保守点検などの専門業務を専門会社に依頼する以外は、なるべく管理組合で行うというやり方だ。管理費は安くなる点で金銭的なメリットは大きいが、自力で管理業務をしなければならず、そのための人的負担が大きくなるマイナス面もある。住人の中で管理業務を引き受けてくれる人物を確保することがいちばんの問題となる。また、清掃や会計業務をボランティアで住人に依頼することになり、業務内容のレベルを一定に保つことが難しい。築30年を過ぎたマンションで見かけることも多い。同じ人物が長年にわたって理事や役員をしている例も少なくないために、管理組合全体の合意形成がきちんとはかられているか疑問視されるケースもある。基本的には中古市場ではこの「自主管理」の物件は買ってはいけないといわれている。安い中古物件はここを確認する必要性がある。

永住を見据えた「マンション管理」を考える!!

マンション管理は、以上の三つの管理形態に分けることができます。どれがベストの管理形態か判断するのは難しいが、長期的に安心して経済的にも低コストで維持管理するとすれば、いまのところ分散管理方式が無難な選択となるでしょう。煩わしさや面倒を避けたいなら、一括管理方式がベストでしょう。重ねて申しますが、自主管理は検討に値しません。

金銭的な万で、自主管理を望む人が多いようですが、夫婦共働きや若い家族が多いマンションでは、人的な負担が大きくなってうまくいかないこともあります。当初の一括管理を早い段階で分散管理方式に切り替え、最終的に自主管理に向かってもいいでしょう。潤沢な支払い能力をもつ人たちばかりが購入する超高級マンションならば、管理費の無駄遣いなど気にせずにいられる一括委託方式でいいかもしれません。永住できるようなファミリー向けマンションならば、マンション管理についてもしっかりとしたビジョンをもつ必要がある。分譲時には一括管理方式だとしても、遅くとも一年後には分散管理方式に切り換えられるようにしたいものです。入居後の話になるとは言え、あなたが購入するマンションに永住できるかどうかは、管理方式の在り方も大いに関係することを認識しておいてほしいものです。

15階建てマンションは要注意!!

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