マンションのエレベーター適正数
マンションでのエレベーターの適正台数はいくらなのでしょうか?
建物の階数や総戸数によって多少の違いはありますし、超高層マンションに使われている超高速エレベーターでも若干の違いはあります。しかし、一般的には住戸50~60戸に対してエレベーター1台です。スピードの違いがあっても、朝の通勤・通学時には、各階の住戸の方がいっせいにエレベーターのボタンを押すので各階停止になるので、待ち時間が長くなります。
言い方を変えれば、住戸数が70~80を超えてくると2台目のエレベーターが必要だと言われています。実際に中古マンションの査定に行ってお客様に聞くと、住戸数76戸13階建てのマンションでは、通勤時間帯は非常に厳しいどうです。
マンション設計でエレベーターについては、いろいろ重要なことがあります。まずはエレベーターの位置でしょう。各階の一番遠い住戸からエレベーターホールまで、50メートル以内にするべきです。これは、女性が重い荷物(ゴミ出しなど)を運ぶ時の限度の距離と言われています。ですから、3台以上のエレベーターがあるのであれば、分けて配置すべきなのです。
また、エレベーターの仕様で大切なのは、最低でも9人乗りトランク付きのエレベーターが1基あることです。このトランク付きが大事です。これは、エレベーターのカゴの奥の正面の下の壁が観音開きになっていて、開くと長い物が運べるようになっています。脳出血で倒れた時は水平に搬送しないと生命に関わりますので、救急車のストレッチャーも水平に搬送するために、エレベーターにこのトランクが必要なわけです。もちろん棺桶も入ります。
地震災害とエレベーター
P波センサーが付いているかも非常に重要です。大きな地震の時、事前に地面を伝わってくる振動P波というものがあります。それを感知して自動的にエレベーターを止めてしまう優れた機能です。通常は、地震と同時に来るS波を感知してエレベーターが止まります。しかし、P波センサーは事前に感知してエレベーターを止めることができるのです。
次に大事なのが、停電時自動着床装置です。停電になってエレベーターが階と階の間に停止するのを防ぎ、最寄りの下の階で止まり、ドアが開くようになっている装置です。この作動はバッテリーで行いますので、何年かでバッテリー交換が必要です。
地震とマンションのエレベーター
地震の際のエレベーターの停止
地震が発生すると、地震動によってエレベーターが揺れ動くため、自動的に停止します。エレベーターの安全性を確保するため、設計上は地震に対する耐震性が考慮されています。しかし、大きな地震によってエレベーターに損傷が生じ、運転不能に陥ることもあります。
非常時のエレベーターの使用
地震によって建物の停電やガス・水道の供給停止などが発生した場合、住民はエレベーターを利用できなくなります。このため、マンションでは非常時用のエレベーターや緊急用の階段を設けています。非常時用のエレベーターは、停電時や災害時でも動作するようにバックアップ電源が備わっています。また、非常用のエレベーターは、避難や救急搬送に使用されます。
エレベーターの点検とメンテナンス
マンションのエレベーターは、定期的に点検やメンテナンスが行われることが望ましいです。点検やメンテナンスによって、エレベーターの故障や停止のリスクを低減することができます。また、点検やメンテナンスの際には、地震に対する耐震性のチェックも行われます。
防災訓練
マンションでは定期的に防災訓練が行われます。防災訓練には、非常時用のエレベーターの使用方法や避難経路などが含まれます。防災訓練によって、住民の危機管理能力が向上し、災害時に迅速かつ的確な行動がとれるようになります。
分譲マンションのエレベータのメンテナンスコスト
定期点検・メンテナンス費用
エレベーターの定期点検・メンテナンスは、法律で定められた定期点検のほか、メーカーや施工会社が定めるメンテナンススケジュールに従って行われます。点検・メンテナンス費用は、点検・メンテナンス内容や頻度、エレベーターの種類や設置場所などによって異なります。一般的には、大型エレベーターほど高額な点検・メンテナンス費用がかかります。
故障修理費用
エレベーターの故障修理費用は、エレベーターの種類や設置場所、故障の内容によって異なります。故障の程度に応じて、部品交換や修理工事が必要となります。また、故障によってエレベーターが長期間使用できなくなると、住民の生活に支障をきたすため、速やかに修理する必要があります。
部品交換費用
エレベーターの部品交換費用は、エレベーターの種類や設置場所、部品の種類によって異なります。一般的には、ドアの開閉機構やモーター、制御装置などが故障しやすい部品であり、交換費用が高額になることがあります。
エレベーターの寿命
エレベーターは、長期間使用すると摩耗や劣化が生じ、寿命がくると交換する必要があります。一般的には、10年から20年程度で寿命がくることが多いため、長期的に見てエレベーターの交換費用を見積もる必要があります。
以上のように、分譲マンションにおけるエレベーターのメンテナンスコストは、点検・メンテナンス費用や故障修理費用、部品交換費用、エレベーターの寿命など、さまざまな要素が関係しています。
新築分譲マンションのエレベーターは何台がよいのか?
- 建物の高さが30階未満で、住戸数が200戸以下の場合:2台~3台
- 建物の高さが30階未満で、住戸数が200戸以上の場合:3台~4台
- 建物の高さが30階以上で、住戸数が200戸以下の場合:3台~4台
- 建物の高さが30階以上で、住戸数が200戸以上の場合:4台以上
ただし、これらはあくまで一般的な基準であり、建物の形状や利用者のニーズに応じて調整される場合もあります。たとえば、1階に商業施設がある場合や、高齢者向けの住宅である場合には、エレベーターの台数を増やすことが考慮されることがあります。
また、エレベーターの台数だけでなく、エレベーターの速度や待ち時間、エレベーターホールの広さなども住民の利便性に大きく影響します。エレベーターは建物にとって非常に重要な設備の一つであるため、建築士やエレベーターメーカーなどの専門家による適切な設計や設備の選定が必要です。
エレベーターには棺桶は入るのでしょうか?
最近の分譲マンションのエレベーターは、間違いなく棺桶は入ります。ただし、すべてのエレベーターがそのようになっているとは限りません。
例えば、一棟のマンションに複数のエレベーターがある場合は、すべてのエレベーターに棺桶が入る場合と、一部特定のエレベーターだけに、棺桶が入る場合があります。最低でも1台は、棺桶が入るエレベーターがあると思ってください。
まとめ
理想的なマンションは、1フロア当たり2戸に1基のエレベーターがあるプランですが、エレベーターの保守点検費用が月に約10万円ですので、管理費が上がってしまいます。月に管理費が2〜3000円上がってしまいますが、現実的ではないでしょう。結論としてはエレベーター1台につき50戸までがベストと言えるでしょう。80戸あるのに1台、あるいは200戸なのに2台というのが最悪です。
コメント