分譲マンションのメリット・デメリット【令和版】

マンションの利便性 マンションの基礎知識

分譲マンションのメリットとは?

分譲マンションと一戸建て、それぞれにメリットとデメリットがあります。それらを充分理解し、暮らし方に合わせて選択することが重要です。

●利便性のよい地域に住むことができる

マンションの利便性

分譲マンションのよさがもっともよく現われているのは、都会での生活が可能になるという点です。職住近接となり、利便性が高まり、家族の触れ合う時間が多くなることは都会に住むことの大きなメリットです。単身者やお年寄りにとって、周辺施設が充実している地域に住むことは、何よりもありかたいことです。

しかし、都心に近く利便性のよい土地は価格が高く、住宅用地として購入することが非常に困難です。その点、マンションは土地権利を複数の居住者と共有するため、上地の負担割合が戸建てにくらべて低く、都心の利便性のよい土地に住むことが可能となります。これは分譲マンションの大きな利点です。

●戸建てにくらべて割安感がある

お金とマンション

地価の高い都心部において、同一地域内の購入価格における、戸建てと分譲マンションの住戸面積を比較すると、明らかに分譲マンションのほうが広い面積を確保できる傾向にあります。また、階段などの移動空間を共有するので、戸建てと同じ面積であれば、有効に利用できる面積がより大きいといえるでしょう。分譲マンションでは都心部の高額な土地でも、土地の負担率が小さいので、その分、購入価格を抑えることができるのです。

逆に建物が償却を迎えるころには、一戸当たりの土地の持ち分が少ないため、わずかな資産価値しか残らないのが現実です。価格的に購入しやすいというメリットがある半面、将来的にはそれが大きなデメリットになりえることに注意が必要です。

●マンションにはコミュニティとしてのよさがある

マンションコミュニティー

分譲マンションは個別の住戸では家として完結できません。言い換えれば集住空間全体で成り立っているのです。そのように考えると分譲マンションとは共同生活であり、共同体なのです。この点を理解しないで購入している方が多いように感じます。

分譲マンションには自治権というものがあります。共同体である認識をもって人間関係を築いていけば、新興住宅地では得られない素晴らしいコミュニティを構築することも可能です。実際に環境共生を共通認識に住民が話し合いを重ね、協力共同作業のなかから環境共生コミュニティが実現した例がたくさんあります。マンションには、そのような可能性が大いに秘められている点も大きな魅力です。しかし、逆に生産性や経済性のみを追い求めた分譲マンションでは、共用部分にゆとりがなく、コミュニティも育ちにくいため、将来スラム化する危険性をはらんでいるともいえます。この点をどう考えるかが、メリットとデメリットの大きな境目となるでしょう。

共用施設やセキュリティを充実できるのも、施設や設備を共有しているからこそです。ただし、ホテルのロビーのようなエントランスが本当に必要かというと大きな疑問は残ります。見た目だけのよさにではなく、住まい手にとって本当に有意義な施設や設備を充実させれば、分譲マンションはもっと魅力あるものになるのです。

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●断熱性が優れている

マンションの断熱性

一戸建て住宅に比べると、特に冬場はマンションのほうが暖かく感じます。冬場、暖房機を使わなくてもマンション住戸内の温度は約扣こと言われています。なぜなら、上下左右の住戸が暖房しているのでその熱が伝わり、自分の住戸を暖めてくれるからです。ですから住戸を選ぶときには2階から上を選択するべきなのです。住戸位置選びの詳しいチェックポイントについては、後から解説します。

●利便性が優れている

マンションは一戸建てと比較して、より駅に近い場所に建っています。よほどの郊外や地方でないかぎり、駅前に一戸建てがあるケースはありません。交通の便だけでなく、駅に近い立地は将来マンションを売る際にも高値がつきやすいと言えます。ただし、駅に近ければ近いほどよいわけでもありません。理想的なマンションの立地は最寄駅より徒歩3分(240m)以上離れて、徒歩8分(640m)以内がベストでしょう。

●セキュリティが優れている

近年のマンションでは、エントランスのオートロツクはもちろん、各住戸の玄関扉や窓に防犯センサーが設置されている物件も少なくありません。車上荒らしや車の盗難を防ぐための駐車場のセキュリティ設備も充実しています。なお、管理形態は24時間有人管理がもつとも理想的でしょう。このようなセキュリティ対策は費用がかかるため、一戸建てではなかなか実現できません。マンションならスケールメリットがあるため、一戸あたりの負担は少なくてすみます。

●住戸内がバリアフリーで段差がない

一戸建住宅に住んでいるとと、マンションの住戸内がバリアフリーであることの有難さを実感します。私も10年以上昔は分譲マンション住まいでしたが、その後、一戸建てに移りました。現在、私か住んでいる家は2階建てですが、引っ越した当時は若かったので、毎日数回、階段の上り下りをしていても苦にならなかったのです。しかし、最近は階段の上り下りが辛くなってきました。階段以外にも、一戸建ては段差が多いのです。玄関の三和土と上り框上面の床レベルでは、約30mほどの段差があります。歳を重ねた頃から、外出する際や帰宅した際に、靴を履いたり、脱いだりするのがしんどいと感じるようになりました。さらに、リビングーダイニングルームから庭に出るときも、床面より20㎝ほど下に降りなければなりませんから、体に負担がかかるのです。

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●庭掃除の必要がない

マンションは基本的に庭掃除の必要がありません。ただし、これはマンションでも1階の専用庭がある住戸の場合は除外します。庭掃除の大変さは、これも年齢とともに感じることです。最近は庭掃除は私の朝の仕事になりましたから、その重労働は実感しております。特に秋から冬にかけては、落葉樹の落ち葉が庭一面に絨毯のごとく敷き詰められます。毎日、我家と両隣、そして裏の一戸建ての庭木の葉が舞い落ちるので、掃除が大変です。かき集めてゴミ袋に詰めるのがひと仕事です。この庭掃除も毎日となるとかなり身体に負担がかかります。分譲マンションであれば、専用庭以外の共用部分の清掃は清掃員が行なってくれます。高齢になったときのことを考えると、マンションのほうが快適に暮らせると言えるです。

◇マンションのメリット◇

・駅の近くなど、文通アクセスのよいところに建てられることが多い。
・都心に近く、病院や学校などの周辺施設が整っている場所での購入が可能
・仕事と暮らしの地域距離が短くできる
・耐火性や耐震性に優れた構造が多く、共有でのセキュリティ機能は高い
・住戸内にフラットな空間をつくりやすく、空間を広く、バリアフリーにしやすい
・大規模の場合、共有施設(ホール、集会所、託児所など)を豊かにすることが可能
・断熱性、気呀哇に優れた建物が多い
・高層階で、眺望に優れた住戸が可能
・共同管理のため、一戸建てのようなメンテナンスが不要
・ゴミ出しが24時間いつでも可能

◇マンションのデメリット◇

・管理費、修繕積立金や駐車場代などが毎月かかる
・建物の増改築や建て替えが自由にできない
・上下階や隣戸で音の問題が気になる
・土地所有分が少なく、財産価値に劣る
・ペットを飼うことを制限しているマンションが多い
・共用部の管理次第で住みにくくなってしまう
・収納部が一戸建てに比べて少なくなりがち
・高層階では、ゴミ出しや郵便物の受け取りが面倒
・基本的に、1階以外に庭はない
・共同住宅のため、一定の規律や決まりを守らなければならない

利便性の高さだけで他のすべてを許せるか

マンションは戸建てに比べて割安感があると感じる人が多いかもしれないが、実際には、分譲価格に加えて、管理費や修繕積立金が毎月加わってくるのです。ほとんどの場合は、年数が経つほど金額が上がり、ローン終盤やローンを払い終わっても一定の出費になります。戸建ても修繕費は必要だが。それ以上の負担が強いられる現実があります。

マンションは戸建て住宅に比べて近所付き合いが少ないと思われがちですが、それは賃貸の話なのです。戸建てはそれこそ、近所付き合いをしなくても暮らしていけるのですが、分譲マンションの場合、管理組合や修繕の話し合いなど、住民で決めることが多いわけです。参加しなければ、意図とは別の方向に進む可能性があるので、非常に面倒なのです。

新築で購入した人たちは同じような世帯収入となるが、中古で購入した人が入ってくると、世帯収入の平均が下がる場合が多いでしょう。古くなると、減価償却分だけでなく、治安や民度などにより資産価値が下がる可能性もあります。中古で値が上がるのは、人気エリアの一部の高級マンションだけだと思っておいたほうが良いでしょう。建て替え時にも、新築に近い建て替え費用が必要となるので、ボロボロでも住み続けられる一戸建てとは大きく違い、将来的にはもう一度マンションを購入するだけの貯蓄も必要になります。

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