昔のマンションとくらべて何か違う?
分譲マンションは昔と比べて、構造から住戸プランまで、とても大きく様変わりしています。昔のマンションといっても、古いものでは60年前のものもあります。このページでは30年ほど前の建物と現在の建物を比較してみましょう。
構造体
現在は耐震性に対する基準が非常に厳しくなっています。
昔のマンションがすべてそうとは言えるかもしれませんが、柱や梁の断面の大きさや鉄筋の数が、現在の基準では不適切なものもあります。超高層の建築の場合、高強度のコンクリートや鉄筋を使用した最先端の建築技術でつくられます。大手建設会社の認定工法で造られる場合がほとんどですが、年数を経た建物が少ないために、弊害が出るのか出ないのか、また、出るとしたらどのような弊害なのかが把握できていないのが現状なのです。メンテナンス方法やそれにかかる費用などについては未知数の部分がとても多く、留意点が多くあるのも現実です。耐震偽装問題や東日本大震災などの影響により、耐震性は昔と比べると大きく向上しているのは間違いないのです。
姉歯さんの功績も多少あるかな???
面積
現在のマンションは相対的に小さく、現在は3LDKで70平方m前後となっています。2000年代中盤にこれまでにないほど広くなっていましたが、2010年代に入ると坪単価の高騰で専有面積を狭くする動きが始まり、特に2018年くらいからさらに狭くなっています。2022年の現在はさらに狭くなっています。60㎡の前半でも平気で3LDKをプランニングしているデベロッパーも見られます。
配管方法
現在のマンションにおいては、給水管など隠蔽配管されるものは「サヤ管」という配管が二重のフレキシブルなもので、将来、配管自体の替えが可能な仕様になっています。これ以前のマンションでは給湯配管に銅管を使っていたので、経年劣化による漏水が多くなる現実があります。2010年ごろまではユニットバスでは1820サイズや、システムキッチンでは2800サイズなど、より豪華になりサイズも大きくなっていましたが、2022年現在では確実にサイズダウンしています。
内部の床
昔と比べると、上階の音が下階に伝わりにくい構造に変わりました。また、壁や天井、建具など、ビニールクロスや塩ビシート、化粧合板などの材料はシックハウス症候群を防止するために建築基準法でも規制されて、大きく改善されています。また、同法律で24時間換気も義務づけられています。
断熱の仕様
1990年ごろまは断熱材として、グラスウールの後施工やフオームポリスチレンなどをコンクリートと一緒に打ち込む工法が非常に多く、施工もあまり配慮なく行なわれていました。しかし、結露などが大きな問題になり、30年ほど前から現場発泡の断熱などが多くなり、結露にも充分注意するようにはなりましたが、まだまだ問題は多いようです。また地域によっては外断熱工法を採用しているものも増えてきました。
最近ではZEHなんて高断熱仕様のマンションも出てきたね!!
外部の仕上げ
吹付け材からタイル張り仕上げが主流になり、見た目もきれいに、経年の汚れに比較的耐えうるようになっています。しかし最近の建築コストの大幅な上昇で、施工費を抑えるために、タイル張りの面積が徐々に少なくなっています。
共用部分
玄関ホールなど広く豪華になり、オートロックや宅配ボックスの採用でセキュリティが標準となっています。特に大規模タワーマンションでは豪華な共用部が目立ちます。
インターネット接続
最近は、各家庭でパソコンが普及し、インターネット接続が不可欠になりました。外部からスマホで、エアコンやセキュリティの制御ができるシステムを採用している最新式のマンションもあります。
昔はなかった「タワーマンション」
最近の傾向として、都市の再開発でタワーマンションが多く建てられています。形態にはさまざまありますが、これもまた、30年前はほぼみられなかった形態です。タワーマンションは、一般的な中高層マンションと構造が異なる点を理解して購入しましょう。隣の家との境の壁はコンクリートではありません。建物の維持管理費も高くなります。洗濯物が干せないタワーマンションもあります。
タワーマンションはよくよく考えて購入しましょう!!
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