昔のマンションと比べて、どう変わったのか?【新築分譲マンション】

昔のマンション マンションの基礎知識

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昔のマンションとくらべて何か違う?

分譲マンションは昔と比べて、構造から住戸プランまで、とても大きく様変わりしています。昔のマンションといっても、古いものでは60年前のものもあります。このページでは30年ほど前の建物と現在の建物を比較してみましょう。

構造体

現在は耐震性に対する基準が非常に厳しくなっています。

昔のマンションがすべてそうとは言えるかもしれませんが、柱や梁の断面の大きさや鉄筋の数が、現在の基準では不適切なものもあります。超高層の建築の場合、高強度のコンクリートや鉄筋を使用した最先端の建築技術でつくられます。大手建設会社の認定工法で造られる場合がほとんどですが、年数を経た建物が少ないために、弊害が出るのか出ないのか、また、出るとしたらどのような弊害なのかが把握できていないのが現状なのです。メンテナンス方法やそれにかかる費用などについては未知数の部分がとても多く、留意点が多くあるのも現実です。耐震偽装問題や東日本大震災などの影響により、耐震性は昔と比べると大きく向上しているのは間違いないのです。

姉歯さんの功績も多少あるかな???

耐震性能の向上推移

耐震性能の向上推移

耐震性能向上の背景

  • 1981年:新耐震基準導入(震度6強~7でも倒壊しない)
  • 2000年:品確法施行(住宅性能表示制度開始)
  • 2005年:耐震偽装問題発覚(姉歯事件)
  • 2011年:東日本大震災(さらなる基準強化)

参考: 国土交通省 |日本建築防災協会

 

面積

現在のマンションは相対的に小さく、現在は3LDKで70平方m前後となっています。2000年代中盤にこれまでにないほど広くなっていましたが、2010年代に入ると坪単価の高騰で専有面積を狭くする動きが始まり、特に2018年くらいからさらに狭くなっています。2022年の現在はさらに狭くなっています。60㎡の前半でも平気で3LDKをプランニングしているデベロッパーも見られます。

専有面積と建築コストの推移

専有面積と建築コストの推移
年代 3LDK面積 坪単価 特徴
1990年代 85㎡ 180万円 ゆとりある間取り
2000年代中盤 85㎡ 280万円 最も広い時期
2018年頃 72㎡ 450万円 狭小化開始
2022年現在 68㎡ 520万円 60㎡台も登場

参考: 不動産流通機構 |SUUMO

 

配管方法

現在のマンションにおいては、給水管など隠蔽配管されるものは「サヤ管」という配管が二重のフレキシブルなもので、将来、配管自体の替えが可能な仕様になっています。これ以前のマンションでは給湯配管に銅管を使っていたので、経年劣化による漏水が多くなる現実があります。2010年ごろまではユニットバスでは1820サイズや、システムキッチンでは2800サイズなど、より豪華になりサイズも大きくなっていましたが、2022年現在では確実にサイズダウンしています。
設備項目 昔の仕様 現在の仕様 改善効果 普及率
給水配管 銅管 サヤ管 90% 95%
断熱材 グラスウール 現場発泡 80% 85%
外壁仕上げ 吹付け材 タイル張り 75% 70%
セキュリティ なし オートロック 95% 90%
換気システム 自然換気 24時間換気 85% 100%

参考: 国土交通省 |住宅性能評価機関

内部の床

昔と比べると、上階の音が下階に伝わりにくい構造に変わりました。また、壁や天井、建具など、ビニールクロスや塩ビシート、化粧合板などの材料はシックハウス症候群を防止するために建築基準法でも規制されて、大きく改善されています。また、同法律で24時間換気も義務づけられています。

断熱の仕様

1990年ごろまは断熱材として、グラスウールの後施工やフオームポリスチレンなどをコンクリートと一緒に打ち込む工法が非常に多く、施工もあまり配慮なく行なわれていました。しかし、結露などが大きな問題になり、30年ほど前から現場発泡の断熱などが多くなり、結露にも充分注意するようにはなりましたが、まだまだ問題は多いようです。また地域によっては外断熱工法を採用しているものも増えてきました。

最近ではZEHなんて高断熱仕様のマンションも出てきたね!!

 

外部の仕上げ

吹付け材からタイル張り仕上げが主流になり、見た目もきれいに、経年の汚れに比較的耐えうるようになっています。しかし最近の建築コストの大幅な上昇で、施工費を抑えるために、タイル張りの面積が徐々に少なくなっています。

分譲マンションのメリット・デメリット【令和版】

共用部分

玄関ホールなど広く豪華になり、オートロックや宅配ボックスの採用でセキュリティが標準となっています。特に大規模タワーマンションでは豪華な共用部が目立ちます。

インターネット接続

最近は、各家庭でパソコンが普及し、インターネット接続が不可欠になりました。外部からスマホで、エアコンやセキュリティの制御ができるシステムを採用している最新式のマンションもあります。

インターネット・IoT・スマートホームの普及推移

インターネット・IoT・スマートホームの普及推移

30年前と現在のマンション総合比較

30年前と現在のマンション総合比較

大幅改善項目

  • セキュリティ:30→85(+55)
  •  断熱性能:40→85(+45)
  • 配管技術:45→90(+45)
  • 耐震性能:60→95(+35)

 

改善項目

  • 防音性能:50→80(+30)
  • 24時間換気システム導入
  • シックハウス対策強化
  • IoT・スマートホーム対応

 

悪化項目

  • 専有面積:85→65(-20)
  • 3LDKで60㎡台も登場
  • 建築コスト高騰の影響
  • 設備サイズのダウン

参考: 国土交通省 |住宅性能評価機関

 

昔はなかった「タワーマンション」

昔はなかったタワーマンション

最近の傾向として、都市の再開発でタワーマンションが多く建てられています。形態にはさまざまありますが、これもまた、30年前はほぼみられなかった形態です。タワーマンションは、一般的な中高層マンションと構造が異なる点を理解して購入しましょう。隣の家との境の壁はコンクリートではありません。建物の維持管理費も高くなります。洗濯物が干せないタワーマンションもあります。

タワーマンションはよくよく考えて購入しましょう!!

タワーマンションの優位性

  • 眺望・景観:95点(一般60点)
  • 共用施設:90点(一般50点)
  • ステータス:85点(一般60点)
  • 豪華なエントランス・ラウンジ

タワーマンションの課題

  • 維持管理費:30点(一般70点)
  • 生活利便性:40点(一般80点)
  • 構造安定性:70点(一般85点)
  • 洗濯物が干せない場合も

タワーマンションの注意点

  • 隣戸との境界壁はコンクリートではない場合がある
  • 維持管理費が高額(エレベーター・共用施設の維持費)
  • 洗濯物を外に干せない物件が多い
  • 30年前にはほぼ存在しなかった新しい住宅形態

 

参考: 国土交通省 |SUUMO

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この記事を書いた人
﨑ちゃん

新築マンションに携わって30年!!趣味が嵩じて大型バイク・潜水士も持ってます。好きなデべは地所さん、野村さん、明和さん、住不さん。

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