マンション敷地の南側隣接地が空き地なら要注意!!

マンションの利便性 プロが教える賢い物件選び

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マンション近隣の敷地をチェック

最近問題化しているのはマンション敷地の隣接地です。

特に南側隣接地が空き地や駐車場の場合は要注意です。マンションを買う人にとっては非常に大きな不安材料です。ここには将来どんな建物が建つかによって、東または西向きの住戸を買ったほうがいい場合があります。デベロッパーは意外と、隣接地が空き地でもあまり気にせず買われますが、近ごろはマンション購入者が気にされますので要注意です。

同じことが大規模団地タイプのマンションにも言えます。大規模団地タイプは、マンションが何棟にも分かれて大きな敷地内に建っています。南側に建っている棟は当然、それより北側に建っている棟に日影の影響を与えます。南側にいくつもの棟が建っていると、複合日影で北側の棟はかなりの影響を受けます。

日照徹底は一流デベロッパーの証

一流

団地形式のマンションの設計では、棟と棟の離隔距離を南棟の高さの1.5倍以上離すのが常識です。また、設計者はデベロッパーより、南棟の日影の影響を北棟の立面に書かされます。当然、北棟を買う人は南棟の日影の影響を気にして販売員に尋ねるからです。

南側隣地が空き地の場合は、デベロッパーとしてどうするべきでしょうか? 私の経験では、一流のデベロッパーは我々設計者に、その南側空き地に法的規制内で目一杯の建物の簡単な設計をさせ、その仮定建物の日影の影響を、こちらの敷地のこれから建てるマンションの立面に立面日影図を書かせて、価格付けの検討資料にしていました。

また、販売が始まって、顧客から南側隣接地に建物が建った場合の影響の度合いを聞かれますので、そのための内部資料にしていました。一流デベロッパーは、南側だけでなく東側・西側隣接地が空き地の場合も、同様のチェックを設計者にさせていました。しかし、大手のデベロッパーの物件でモデルルームを見て、建設予定地を見て南側が空き地だった場合、また販売事務所に戻って、将来、南側隣接地に建物が建ったらどのような影響が出るのかお聞きしても、ただ「大丈夫ですよ」で終わってしまい、これでは永遠に大手でも一流デベロッパーにはなれないなあと感じることが多々あります。

昨今、1戸2000万円台の物件ですと、その立地はほとんど郊外で、周辺はほとんど空き地状態が多い場所です。ですので、デペロッパーもきちんと隣接地の将来像を把握してマンションの商品企画をしないと、顧客から信用を失い売れ残ってしまいます。さらに恐いのは、準工業地域です。最近はどんどん工場を閉鎖して、マンション用地として売りに出されています。購入したマンション用地の南側隣接地が現在工場であっても、いつかは閉鎖してマンション用地として売りに出されるかわかりません。

敷地の広さが同じくらいであれば、こちらで計画しているマンションと同じ高さ・規模のマンションが立つ可能性は多いにあります。準工業地域は結構大きな建物が建設可能ですので、十分検討を要します。

※「15階建てマンション」は要注意、危ないって本当?

 

日影図を確認するべき

購入検討物件の隣地にすでに建物があるならば、住戸にどのような日影ができるか、しっかりとチェックしましょう。きちんとした一流のデベロッパーなら、日影図を見せて説明してくれます。この日影図とは、近隣の建物が直射日光をさえぎつてつくる影が、時刻ごとにどのような形状になるかを表わした図です。少なくとも、冬至、秋分、春分の敷地平面と建物立面の日影図が確認できれば安心でしょう。

・将来建つ建物の影響は簡単に予測できる

問題なのは、マンションの周辺に将来高い建物が建ってしまう可能性がある場合です。マンションの隣地や周辺に空き地や駐車場、古い工場などがあるなら、将来何らかの建物が建てられると予想すべきです。そこで、販売員に建築予定はないか、もしも建築されたらどんな影響が出るのか聞いてみます。答えが、

「建築予定は今のところないですよ」

「仮に建ったとしても、そんなに日影にはならないと思いますよ」

などというものでしたら、残念ながら一流のデベロッパーとは言えませんので、そのマンションの購入は十分検討したほうがよいでしょう。

 

一流のデベロッパーは日影をシミュレーションしている

一流のデベロッパーなら、隣地が空き地などの場合、設計事務所に指示し、現在の法的規制のなかで、その土地に建てられるもっとも大きな建築物を想定し、日影がどのようにかかるかをシミュレーションしています。

仮に購入マンションの隣地に高層建築ができた場合、日照や眺望が悪化する可能性が大いにあります。そうなれば、日々の暮らしだけでなく、買い替えの際の資産価値にも影響を与えかねません。購入を検討している分譲マンションの立地だけでなく、周囲の環境も十分チェックしてください。

※新築マンション選びのチェックポイント【2025】

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この記事を書いた人
岩﨑

新築マンションに携わって30年!!
企画から販売、物件マネージャーまで。最近では仲介もやってます。宅建・FP2級・管理士持ってます。趣味が嵩じて大型バイク・潜水士も持ってます。好きなデべは地所さん、野村さん、明和さん、住不さん。

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