マンションは「共同住居」「共同生活」!!【近隣トラブルは覚悟しろ】

共同住宅 マンションの基礎知識

マンションは「共同住居」「共同生活」

共同生活で起こりやすいトラブル

マンションは「共同住居」であり「共同生活」となります。

多くの人々が共同で生活するのが分譲マンションです。個々の生活者の考え方や意識、家族構成、活動時間帯ほまちまちです。管理組合の管理規約には生活上の共通のルールを定めていますが、思いもかけないトラブルに遭遇する場合もあります。やっとの思いで手に入れた分譲マンション、家族と共にこれからのマンションライフを快適に暮らしたいと願うのが当然です。ご近所の方々の迷惑も考えて、我が家のトラブル対策を立てておきましょう。

最も多いマナートラブル

マンションの苦情

分譲マンションの供給トラブル件数は棟数の増加にあわせて増えています。国土交通省が行なった「平成30年度マンション総合調査」によると、その内容は、日常生活にかかわる居住者の問題から、建物の不具合、近隣の問題、管理組合の運営、管理会社の問題など、多岐にわたっています。最も多いトラブルは居住者間のマナーが原因です。生活騒音の問題、ペットの問題、駐車場問題、上階からの不注意による漏水、共用部分の使川方法、バルコニーの使用、専有部分の改装などがあり、これらが日常的に起こっています。特に、以前からマンションの3大トラブルといわれている「生活騒音」「ペット」「駐車場」の問題は、やはり上位を占めています。

2番目は建物の不具合で、漏水、結露、雨漏りや外壁の剥離、タイルの落下、建具の開閉不良、カビの発生などがあります。3番目に多いのが管理運営上の問題。修繕のための費用負担、管理費や駐車場代、修繕積立金等の滞納など、お金に関するトラブルです。続いて近隣の問題で、電波障害、日照権、プライバシーの問題などがあります。また上記以外にも、管理組合の運営に関する問題や、管理会社とのトラブルなど、多くのトラブルが日々の生活のなかで発生しています。戸建て住宅とは異なることを十分に認識しておきましょう。

トラブルを防くには?

これらの問題を少しでも少なくすることが、居住者の大きな課題と言えますが、たとえマナーが原因の問題といえども、解消するのが難しい場合は多々あります。特に音の問題は難しいでしょう。上下階や隣戸の音が気になるかどうかは個人差があるからです。静かな一戸建て住宅から分譲マンションに移り住んだ人は、小さな音でも非常に気になるものでしょう。

音の問題は「神経質」?

分譲マンションの防音性能そのものが、実際に住んでみるまで分からないということも、トラブル解消を難しくする大きな原因のひとつです。戸境壁や天井、床の防音遮音性能が高くても、構造体や配管スペースなどから音が伝わるケースは実際にあります。音に対して非常に敏感な人には、マンション住まいは向かないのかもしれないという意見もありますが、神経質な側面もあるでしょう。むしろ、共同生活の場であることを認識し、多少の生活音には目をつぶるくらいの気持ちでいるほうがよいのではないでしょうか。

15階建てマンションは要注意!!

マンション法(区分所有法)つて何?

ひとつの建物を複数の所有者が使用する際の取り決めが区分所有法です。分譲マンションに住まううえでもつとも大切な法律といえます。

マンション法、正式名称「建物の区分所有等に関する法律(略称・区分所有法)」は、元々はマンション専用の法律ではありません。1棟の建物のなかの、構造上独立して使用可能な部分が、おのおの所有権の対象となることを認めた法律ですが、住居に限らず店舗、事務所、倉庫などにも適用されています。

区分所有法の施行以前、1棟の建物には、ひとつの所有権が存在するのみでしたが、建物の中高層化と大規模化にともない、部分的な所有を求める動きがあることと、新たな不動産の流通を図る意味から、区分所有という考え方が生まれました。区分所有法は1962年の創設以来、1983年、2002年とマンションの実状にあわせて改正されてきましたが、現在においてもマンション専用の法律でないため、マンション独自の法律である「マンション管理適正化法(マンションの管理の適正化の推進に関する法律)」や、「マンション建替え円滑化法(マンションの建替えの円滑化等に関する法律)」などによって補完されています。

専有部分と共用部分

区分所有される部分は、原則として四方が完全に区画されており、区画する材質は木材、コンクリート、ガラスなどの、ある程度永続的に区画されるものとなります。それらの区分を「専有部分」といいます。それに対し、1棟の建物のそれ以外の部分、エントランスや廊下、外壁、屋上などを「共用部分」といいます。

・共用部は勝手に変更できない!!

多くの方が誤解されるているのですが、バルコニー、アルミサッシ、窓ガラス、網戸、玄関ドアも共用部分です。勝手に取り替えることはできません。管理組合の同意が必要です。色の塗り替えも自由には行なえません。別棟の集会室などは独立した建物であるため、本来、専有部分として登記が可能ですが、規約で共用部分とすることができます。

ひとつの建物を複数の区分所有者で所有し、使用するため、さまざまな規定が設けられています。これらはマンションを所有し、暮らすための、最低限の法律であり、区分所有法は、区分所有者が合意形成していくための「マンションの憲法」ともいえます。平成7年1月17日に起きた阪神淡路大震災により多数のマンションが倒壊し、大きな被害を受けました。このときに、建て替えや復旧の決議要件が不充分であったために多くの混乱を招き、いまだに区分所有者間で争っているマンションもあります。

・分譲マンションの建て替えは出来るのか?

全国的にみても、築年数が30年を超えるマンションが多くなり、建て替えや改修が必要となるケースが多いことから、平成14年12月に区分所有法の改正がなされました。改正された中身は、建て替えを容易にし、促進させるものですが、建替え時の建設資金を支出する余裕のない区分所有者は明け渡しを余儀なくされるものです。建物の長寿命化への法整悁や、建て替えへの支援、困難者の移りかえの支援などを進めることが求められています。そうすることにより、安心して永住できるマンションとなるでしょう。

新築マンション選びのチェックポイント

・区分所有法で定められていること

区分所有法では、専有部分と共用部分の定め以外に、以下のようなことが定められています。
●敷地利用権

区分所有者も専有部分を所有するために土地を利用する権利を有していなければならない。

●管理組合

区分所有者は、加入の意志がない場合でも、特別の手続きを経ることなく当然に組合員とされ、脱退することはできない。

●規約

管理組合の根本かつ最高の規則であり、区分所有者の全員がこれに拘束される。

●集会

最高の意思決定機関。少なくとも毎年一回一定の時期に召集く通常集会)。臨時の必要があるときは、いつでも集会を召集(臨時集会)

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