「免振」「耐震」どっちが良いの?【マンション検討】
少し古い話ですが、阪神淡路大震災では死者が5000人を超えましたが、神戸市内の犠牲者の約85%が地震発生から15分以内に亡くなったという兵庫県監察医による分析結果が発表されています。多くの戸建住宅が壊れ、居住者がその下敷きになったのです。重たい梁や柱、あるいは住宅部材に挟まれました。圧死した方もいましたが、挟まれたまま意識がありながら、延焼による猛火に呑まれた犠牲者が多いと言われています。非常に悲惨なことです。
ふだんは快適でも、耐震強度のない住宅は、地震が起きると殺人凶器になる場合もあるのです。新築や中古にかかわらず、住まいとしての十分な耐震性能は備えていなければならない基本性能です。そこで分譲マンションの耐震性に関して考察していきましょう。ひとくちにマンションの耐震性と言いますが、技術的な考え方によって大きく3つにわかれています。その3つが「耐震」「免振」「制振」です。
【耐震構造】
一般的には、「耐震構造」と聞くと地震に襲われてもびくともしない住宅をイメージするでしょう。しかし、そのイメージは全くの間違いなのです。「耐震構造」は、地震に耐える強度をもつ構造だと素直に解釈しないほうが良いでしょう。住宅やマンションのカタログなどで使用される「耐震構造」とは、わかりやすく言えば、建物が壊れても人命を守る最低限の強度を備えていることを意味しています。建物自体は破損しても、倒壊して人を押し潰したりする危険性が低い構造だと考えれば良いのです。ですから、被災後は、そのまま住まいとして元通りに住めるわけではありません。そこで、「耐震構造」からさらに進んで、「免震構造」が出てきたのです。
【免震構造】
「免震構造」は人命はもちろん、建物も地震の被害から免れることができる特性をもつという構造で、阪神淡路大震災後に飛躍的に進歩した耐震技術です。毎年のように新しい「免震構造」の工法などが発表され、最近のマンションにはこれらの技術が多く導入されています。とくにタワーマンションでは、「免震構造」を採用している物件が増えています。言い換えれば、20建て以下の中高層マンションでは耐震構造がメインとなっており、免振・制震の技術を採用した物件は非常に稀です。
「免震構造」をわかりやすく言えば、基礎部分にゴムやダンパーなどのクッション部材を組み込んで、地震の揺れを吸収して建物を守る構造です。これに対して、既存の建物に重りなどを設置して地震の揺れを制御するのが「制振構造」と呼ばれるものです。「耐震構造」と「免震構造」、「制振構造」では、同じ耐震性を備えていると言えども、その意味合いが異なっていることを理解しておきましょう。個人的にはごく一般的な耐震構造のマンションでも問題ないと思っています。しかも2018年のKYBの免振偽装の件もあるので・・・もう、何を信じたらよいのかわからない。私の記憶では広島駅の裏にある、マエケンが住んでいたマンションで採用されていたはずです。
分譲マンションの免震構造のデメリット
分譲マンションの免震構造は大きな地震の際に建物の揺れを抑制し、建物の破壊を防ぐ効果がありますが、その遮断措置も存在します。
まず、一つ目の対策建設としては「初期投資コストの増大」が挙げられます。耐震構造のマンションは、従来の構造に比べてコストが高くなる傾向があります。装置の設置やそれに伴う設計変更が必要となるからです。 結果として、これらの高コストはマンションの価格に反映され、購入者はより高い金額を支払う必要が出てきます。
2つ目の対処は「維持管理コストの増加」です。免震装置は定期的な点検やメンテナンスが必要であり、場合によっては部品交換も求められます。これにより、管理費や修繕積立金がもっと可能性があります。
3つ目の対策は「建物の寿命」に関わる問題です。免震装置の耐用年数は一般的には30年程度と言われています。しかし、大きな地震が続いた場合などは、その寿命がそのため、長期的な視点で建物の価値を考える際には、その点を考慮する必要があります。
以上のように、免震構造のマンションは高い地震に対する安全性を提供する側面、コスト面での対策も考えられています。慎重で適切な判断を下すことが求められます。
初期投資コストの増大
維持管理コストの増加
建物の寿命への影響
専門的な知識が必要
これらの戦略を考え、それらを考慮した上で、マンションの購入や長期的な維持管理を計画することが重要となります。
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