分譲マンションの種類

分マンの種類 マンションの基礎知識

多様な分譲マンション

マンションは生活スタイルに合わせてチョイスする時代です。現在・未来の暮らしを予測して対応できるマンションを選びましょう。

●消費者のニーズに応じて多様化するマンション

一昔前はその概観から「マンション=四角い箱」と味も素っ気もない表現をされたものです。しかし、いまやマンションはただの四角い箱ではありません。さまざまなスタイルのマンションが登場しているのです。人々の生活スタイルは実に多様化しています。個々人が自分の暮らしに対するこだわりや理想を強くもつようになり、そうしたニーズを満足させようとした結果でしょう。

大規模マンション

大規模なマンション

総戸数が100戸以上のマンションのことです。戸数が多い分、居住している人々の家族構成・年代も実にさまざま。そうした幅広い層の満足度を高めるために、多種多様な共用施設が見られる点が小規模マンションにはない特長です。充実したフロントサービス、遊具設備、敷地内公園、スポーツ施設のほか、ロビ-ラウンジやカラオケルーム、眺望ルームまで備えている物件もありますOさらに、セキュリティシステムも充実して、防犯カメラはもちろんのこと、敷地内を警備員が巡回する有人管理を実施しているところもあるようです。フロントには管理人が常駐し、ダブルオートロックシステムで不審者の侵入を防ぐ二重、三重のシステムが整っているといえます。大規模マンションには、次の三種類があります。

タワーマンション

タワーマンションの種類

60メートル以上の超高層マンション。1棟から数棟で構成されています。外観のスタイリッシュな雰囲気とすばらしい眺望が魅力です。最上限と下層階では問取りや広さが異なっています。階が上がるほど価格は上昇し、上層階と下層階には数百万円から数千万円ほどの価格差があります。

複数棟集合型マンション

1棟あたり50~100戸の棟が、複数集まったタイプです。住棟のほか、「共用棟」や「管理棟」があり、それぞれに機能が振り分けられていることがあります。

板状型マンション

1棟で構成されているタイプ。建物全体の横幅を大きくすることで、耐震性が高まるとされています。住戸がすべて同じ向きで横に連なっていくので、囗当たりが均等になります。

デザイナーズマンション

建築家やプロダクトデザイナーが立てたコンセプトに基づいて、アイディアがふんだんに盛りこまれた個性的なマンションです。マンションを建築する際には、開発者や販売会社の意向が強く反映されるものです。しかし、デザイナーズマンションは、納期やコスト圧縮が至上命題とされるなかで排除されることの多かった「こだわり」を前面に押し出しているといえます。「デザイナーズマンション」という言葉が登場したのは1990年代後半といわれています。当初は「使い勝手よりも見た目重視」の物件も多かったようですが、現在では機能性と美しさが共存するタイプが増えてきたようです。キッチンや浴室など、外国製品を取り入れることで個性的な空間に仕上げながら、使いやすさへの配慮もなされています。

逆にいえば、「コンクリート打ちっぱなしだから」「規格外の大きさの窓があるから」といって「デザイナーズマンション」と考えるのは早計です。デザインに機能が付随しているかを見極めることが失敗しないポイントです。住み手の喜びや満足度の高い物件ではありますが、物件数が極端に少ないのが実情。供給されている物件も賃貸がほとんどで、分譲物件はさらに少なくなります。また、マンションの皆既が強い分、売却しようとしてもスムーズにいかない可能性があります。

自由設計マンション

室内の仕様や問収りを自山に決められるマンションです。フローリングの床の色、壁紙の種類、照明設備など「インテリア」的な部分だけでなく、間取りそのものを家族構成や生活スタイルに合わせてオーダーできます。また、キッチンや浴室、トイレなどに、こだわりの設備を取り入れることができるケースもあります。ただし、玄関や窓の位置は決まっていますし、キッチンや浴室、トイレなど水まわりの位置も変更できません。「自由設計」だからといって、なにからなにまで好きにできるわけではないのです。希望をかなえるために、どれぐらいの追加料金が発生するのか確認も必要です。

スケルトンインフイル

建物の構造体であるスケルトン(S)と内装・設備等といったインフィル(I)を別々につくること。高い耐久性をもった「スケルトン部分」が箱だとすると、「インフィル部分」は中身といえます。その中身を住む人が白由に決められる点が特徴です。国土交通省は、世代を超え利用可能な「100年住宅」の普及のためにSI(スケルトンインフィル)住宅の開発や法整備に取り組んでいます。経年劣化しやすいインフィル部分を取り替えながら、耐久性の高いスケルトン部分はずっと使っていこうというわけです。経年劣化にかかわらず、生活様式や家族構成の変化に合わせて、インフィル部分を取り替えることも可能です。また、水まわりの変更が困難な「自由設計マンション」とちかって、スケルトンインフィルなら水まわりを含めた間取りを自分好みに決められます。

とても魅力的なスケルトンインフィルですが、気になるのが音」の問題です。普通のマンションは問取りが共通なので、水まわりや廊下など音が発生する場所が上下の部屋と同じになります。自分が出す音も、上下の階の住人が出す音も、うまい其合に和殺されるわけです。しかし、それぞれが自由に間取りを決めると、上の階の廊下やトイレの下に寝室が位置してしまう可能性があります。

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