モデルルーム見学は何件すれば良い? 〜見学回数〜
- マンション購入者の約半数が「3〜4件」のモデルルームを見学している
- 購入したマンションのモデルルームを「3〜4回」訪問する人が最も多い
- 見学件数が多すぎると決断が難しくなり、少なすぎると比較検討が不十分になる
- 初めての見学では基礎知識を得ることを目的とし、本命物件は後回しにするのがおすすめ
- 見学回数よりも、初めからのこだわりポイントを大切にすることが重要
マンション購入者の見学件数データ
私がコロナ禍直前に関わった某大手デべの物件で、購入者様にアンケートを取りました。市内に販売中の物件が約40物件ありました。今の広島市の市場と状況は似ています。回答数は111件でした。この調査結果から、モデルルーム見学の実態が明らかになりました。
調査結果から、約半数(51.4%)の方が「3〜4件」のモデルルームを見学していることがわかりました。次いで「1〜2件」(21.6%)、「5〜6件」(12.6%)、「7件以上」(11.7%)という結果でした。
購入決定までの訪問回数
購入したマンションについて、購入決定までに何回そのモデルルームを訪問したかという質問に対しては、「3〜4回」が49.5%と最も多い結果となりました。
訪問回数 | 割合 |
---|---|
1〜2回 | 24.4% |
3〜4回 | 49.5% |
5〜6回 | 13.5% |
7回以上 | 9.9% |
わからない/答えられない | 2.7% |
この結果から、多くの購入者は最終的に決めたマンションのモデルルームを複数回訪問していることがわかります。初回の訪問では基本的な情報収集を行い、2回目以降で具体的な質問や細部の確認をしているケースが多いようです。
見学件数別のメリット・デメリット
見学回数 | メリット | デメリット |
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少ない (1〜2件) |
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適切 (3〜4件) |
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多い (5件以上) |
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見学件数が多い場合のメリット
- 多くの物件を比較検討できる
- マンションの知識が深まる
- 相場感がつかみやすい
- 自分の優先順位が明確になる
- 交渉材料が増える
見学件数が多い場合のデメリット
- 情報過多で判断が難しくなる
- 時間と労力がかかる
- 選択肢が増えすぎて決断できなくなる
- 最初に見た物件の印象が薄れる
- 迷いが生じやすくなる
見学件数が少ない場合のメリット
- 意思決定が早くなる
- 時間と労力を節約できる
- 物件への集中度が高まる
- 検討疲れを防げる
- 直感を大切にした選択ができる
見学件数が少ない場合のデメリット
- 比較検討の材料が少ない
- 相場感がつかみにくい
- より良い物件を見逃す可能性がある
- 知識不足で判断を誤る恐れがある
- 後悔するリスクが高まる
3〜4件の見学がちょうどいい理由
1年以上かけて10件以上のモデルルームを見学した人もいれば、初めて見学したモデルルームのマンションに購入を決めた人もいます。どちらも満足したマンションライフを送られているため、個人的にはモデルルームは◯件見るべきという絶対的な正解はないと思います。
しかし、マンション購入者のアンケート集計では【3~4件見学した】と回答している方が大多数です。また、マンション購入を考え出してから半年程度で決める方が多いようです。
見学件数は人それぞれで良いと思いますが、何件見れば良いかわからないという方は3件~4件がちょうどいい見学件数といえるでしょう。この件数であれば、比較検討するための十分な情報が得られる一方で、情報過多による判断の難しさを避けることができます。
効率的な見学方法:本命は後回しに
同じエリアに建設中のマンションがいくつかある場合、どのマンションのモデルルームを先に見学すべきか迷うことがあるでしょう。
説明資料がしっかりしているので、できれば初めは大手不動産会社のマンションを見学すると良いでしょう。
本命のマンションは後回しにして、2番候補3番候補のマンションを見学に行くのがオススメ。ある程度知識や判断材料がわかった上で、一番良いと思った本命のマンションを見に行くと決断しやすいですよ。
更に契約までは本命マンションのモデルルームに3回程通うことになります。この回数は、以下のような段階的な確認プロセスに対応しています。
- 1回目:全体的な印象確認、基本情報の収集
- 2回目:細部の確認、具体的な質問、家族との再訪問
- 3回目:最終確認、契約前の不安解消、オプションの検討
- 4回目以降:契約手続き、内装や設備の最終決定
見学一件目で決めても大丈夫?
もちろん、見学一件目のマンションで決断される方もたくさんいます。
エリアを絞り込んでいる方の中には、「他に選択肢がないから、もうここしかない!」と決断される方もいらっしゃいます。
不思議なことに、最初に見たマンションで即決された方が後悔するケースは、あまり耳にしません。まるで結婚相手探しのようですね。第一印象で「これだ!」と感じて決める方もいるのです。初めて付き合った人とそのまま結婚するカップルも少なくありませんし、それと同じような感覚なのかもしれません。
もし、一件だけの見学で決めることに不安を感じるようでしたら、参考として近隣の中古マンションを見学してみるのも良いでしょう。また、インターネットで様々な情報を集めることも、判断材料を増やす有効な手段となります。
1回あたりのモデルルーム見学時間については、「2時間程度」(41.4%)と「1時間程度」(35.1%)を合わせると、約76.5%の方が1〜2時間程度の時間をかけていることがわかります。この時間を有効に使うためにも、事前に確認したいポイントをリストアップしておくと良いでしょう。
見学回数よりも大切なこと
マンション選びで後悔しないためには、最初に抱いた譲れない条件を安易に変更しないことが肝心です。
理想を全て満たす完璧なマンションは稀であり、決断の際には何らかの妥協が必要になることもあります。しかし、最初に強くこだわったポイントは、住み始めてからの満足度を大きく左右するため、大切にすべきです。
例えば、以前「絶対に駅近のマンションに住みたい」と希望されていたお客様がいらっしゃいました。駅近の物件をいくつか検討する中で、ふと「駅から離れていても広いマンションはどうだろう?」と興味を持ち、見学に行ったそうです。「広いのも魅力的だな」という一時的な感情と、残り一部屋という状況に後押しされ、勢いで契約。しかし、実際に住んでみると、駅までの自転車やバスでの移動が日々の負担となり、結局1年足らずで売却することになってしまいました。
これは、当初の「駅近」という強いこだわりを、単なる興味本位の物件探しで揺るがしてしまったために起きた失敗例と言えるでしょう。見学の数を増やすことよりも、自分にとって本当に譲れないポイントを明確にし、それを軸に物件を選ぶことこそが、後悔のないマンション選びの重要な鍵となります。
見学時に確認したいポイント
モデルルーム見学の際に、もっと確認・検証したかった項目としては、以下のような回答が多く見られました。
特に「天井の高さ」(54.1%)や「各部屋の広さ」(45.9%)、「水まわりの設備」(43.2%)といった項目を、家具の配置有無などさまざまな状況でもっと検証したかったという声が多く挙がりました。これらのポイントは、複数回の見学で段階的に確認していくと良いでしょう。
いかがでしたか?モデルルーム見学の回数に焦点を当てて、効率的なマンション選びについてご紹介しました。
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