今、猛威を振るっているコロナウイルス。マンションの中でも感染の可能性があるのって本当???
SARSウイルスは香港で、マンション内感染が実際に発生しています。コロナウイルスも可能性はあるかもしれませんね!!
日本のマンションでコロナウイルス集団感染?
今、日本は新型コロナウイルスが猛威をふるっています。経済活動や日常生活にも明らかに大きな影響が出ています。
政府与党は不要不急の外出を極力控えるよう強く呼びかけていますが、実は安全と思われる分譲マンションの室内でも気を付けるべきことがあるのです。近代的で快適なはずの分譲マンションで、コロナウイルスに感染してしまう可能性もあるのです。そこには集合住宅特有の問題が隠されているのです。
2003年のSARSが香港で流行した際、香港市内有数の高級タワーマンション「アモイガーデン」の建物内でSARSの集団感染が発生しました。行政はすぐに1週間の隔離命令を出しましたが、感染者329人、死亡者42人という悲惨な結果となりました。ここで大きな問題となったのが、感染者の約半数がE棟の各階7号室・8号室に集中していた点です。重傷者もその2タイプの部屋ばかりでした。
横浜市健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課がこの集団感染の原因を探っています。
その内容は
「アモイガーデン」E棟の各階の7号室と8号室は、下水管でそれぞれ垂直的につながっており、下水管への入り口である各排水口にはU字形の排水トラップが設置されていた。排水トラップというものは、排水管や下水からの臭気・虫などが逆流して居室への侵入を防ぐためのものだが、長期間の不在などでU字の底部分にたまっていた水が蒸発すると、下水から臭気や虫などが侵入することもある。感染患者が7号室と8号室に多く発生したことは、感染者の便によってそれらの部屋の下水管が病原体で汚染され、そのウイルスを含んだ下水の小さな飛沫が、空気とともにバスルームの床から侵入したためと考えられている。バスルームの換気扇は吹き抜け部分につながっているため、そこを通じて他の部屋にもウイルスが拡散した可能性もある。
SARSだけではない!コロナもマンション内感染している!!
SARSの集団感染が発生した香港のアモイガーデンの排水構造は、現在の日本の新築分譲マンションと基本的に変わらないのです。建築構造的には同じと言い切ってもいいのです。また、換気構造もほぼ同じなのです。
実際に今年の2月中旬には、同じく香港の青衣(チンイー)島のタワーマンションではこの香港でのSARS集団感染と同じ原因で、コロナウイルスがマンション内集団感染が発生しているのです。
https://gunosy.com/articles/aXjor
今回現実に
●排水トラップの水封切れ
↓↓↓
●下水の飛沫、臭気の室内への飛散
↓↓↓
●換気扇による室外への放出
という流れで、コロナウイルスのマンション内集団感染が発生しているのです。
繰りかえします。日本の現在の新築分譲マンションも同じ構造なのです。
決して香港の「アモイガーデン」が特別なのではありません。日本のマンションのほうが衛生的・先進的だから大丈夫だということではないのです。すなわち日本でもこのようなコロナウィルスのマンション内での集団感染の可能性は十分にあるのです。
新築マンションではコロナ感染は発生しない???
しかし、新築や築浅のマンションでは、上記のような流れでコロナウィルスの集団感染は考えづらいでしょう。なぜならば、各住戸の住人が定期的に排水溝に水を流していれば、排水トラップの水封が切れることとが無いからです。排水トラップに溜まっている水が少なくならず、水封が切れなければ、定期的に排水溝に水が流れていれば、ウィルスを含んだ臭気や下水は室内へと逆流しないのです。
気を付けるべきは、新築や築浅のマンションではなく、築古の中古マンションなのです。築年数が20年、30年、40年と嵩み、空き部屋が目立つマンションは注意が必要です。人が住んでいない部屋の排水トラップの水封は、早ければ10日もあれば切れるのです。そうすれば、室内にコロナウイルスを含んだ臭気や下水の飛沫が侵入する可能性は大です。このまま状態であれば、その部屋にコロナウイルはとどまるのでしょうが、長期的に不在にする場合や、不動産屋が管理している物件は、換気扇を回しっぱなしにすることがあります。こうなると、香港の「アモイガーデン」で発生したSARSの集団感染と同じロジックです。コロナウイルスも日本も分譲マンションにおいて、集団感染を発生させる可能性は十分にあるのです。
マンションは長屋みたいなもの「共同住宅」!!
マンションは集団生活、共同住宅です。完全に独立している一戸建て住宅とは異なります。壁や屋根、排水管や給水管、ガス管、その他様々な物を他の部屋の人と共有でいるのです。
どんなにオシャレなマンションでも、
どんなに高価なタワーマンションでも、
所詮「共同住宅」なのです。
きらびやかに見えるマンションライフですが、「共同住宅」ならではの弱点も、今回のコロナウイルスの猛威ではっきりと見えてきたことでしょう。私は多くのマンションを販売してきましたが、この「共同住宅」という点をしっかりと認識しないで購入している方が非常に多いと感じています。
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