中古マンションのチェックポイント!!
私は兼ねがね
「中古マンション選びは新築マンションより難しい」
と言っています。
中古マンションこそ、当たりはずれが多く、素人がババを引く可能性が大きいのです。その半面、掘り出し物をゲットできる可能性もあるのです。そんな難しい中古マンション選びを大人の事情も踏まえ解説していきます。
中古マンションは建物よりも管理状況が重要
建物の物理的な診断は、ホームインスペクションなどを利用することにより、ある程度安心することができます。ただし、実際にその建物に住むにあたっては、證物の物理的な状態とともにマンションであれば管理組合や隣人、戸建てであれば周囲の住人の様子などのソフト面も重要になってきます。このあたりに関しては、ご自身の五感を研ぎ澄ましてチェックしていく必要があります。マンションの場合、管理状況は以下のチェックが重要です。
共有部分の状態
実際に現地で、エントランスや共用廊下がきちんと清掃されているかなどをチェックします。掲示板や集合ポストの周辺が雑然としていたり、共有スペースにゴミが目立つようでは、管理状態に問題があると判断してください。
掲示板の「お知らせ」からわかること
掲示板のお知らせなどを読んでみると、管理組合の活動状態などがわかります。住人の親睦会や管理組合の活動報告などが貼り出されていれば、管理組合が正常に運営されているひとつの現れと判断できるでしょう。駐輪場やゴミ置場の様子も、マンションの住人の意識などが読み取れる場所です。駐輪場の自転車の置き方が雑然としていたり、ゴミ置場のゴミがきちんと分別されていなかったりする場合は、マンションの住人の意識があまり高くない可能性もあります。
管理人にヒアリングずる
一般的なマンションでは、日勤か、あるいはある程度のインターバルで管理人が勤務していることが多いと思います。管理形態や勤務体制は広告などの販売文書からもわかりますが、できれば管理人に直接会って話をするほうがよいでしょう。そうすれば、日常の管理状態がよくわかりますし、住人の様子などもうかがい知ることができるかもしれません。
修繕計画に関して
マンションも築年数が経つにつれて、構造躯体や設備などに不具合が生じてくることは避けられません。それを定期的に補修・改修していくためには、長期的な修繕計画がきちんと立てられ、実行されていることが重要です。そして、修繕計画の内容が具体的で実践的であることも重要になってきます。
修繕計画の実行に前向きかどうか
修繕計画がきちんと立案されていたとしても、それが実行されていなければ意味がありません。なにか大きな問題が起きてから修繕を行うという姿勢では、その費用の扱いなど合意を得るために時間がかかってしまい、処置が遅れることも考えられます。実際に問題が起きる前に計画通りに修繕やメンテナンスを行っていくことが非常に重要なのです。そして、早めに修繕を行うほうがコスト的にも断然有利になるはずです。
積立金の金額は妥当か
修繕計画を実際に履行していくにあたっては、その費用の積立てが妥当な金額で、過去にきちんと修繕が実行されていることが基本となります。実際の修繕工事の記録や積立金の金額などから、その妥当性や修繕がきちんと行われているかなどは調べられると思います。修繕積立金が安すぎる物件は、後で修繕積立金の値上げや大規模修繕のさいに高額な一時金が必要になったり、あるいは必要なメンテナンスを十分に行うことができない、などといった問題が発生することも考えられます。
管理規約の内容
マンションを購入するさいには、管理規約の内容をチェックすることは必須条件です。国土交通省の公表している標準管理規約と比較してみることで、目的のマンションの規約が厳しいものなのかどうかが判断できるでしょう。中古マンションを購入してリフォームすることを考えているのであれば、当然リフォームに関する規約のチェックが重要になってきます。専有部分をリフォームする場合のルールや、管理組合に届け出るべき内容なども規約にまとめてあるはずです。特に遮音に関する規定、フローリングに関する遮音等級なども決まっている場合があるので、注意する必要があります。
「中古マンション」建物のチェックポイント
中古マンションはプロの住宅診断が必要?
中古の建物を購入する場合、建物内容をどのように調べればよいのか、なかなかわからないものだと思います。下表は実際に中古住宅を購入するときにチェックすべき主な点です。しかし、これらはプロでなければ、なかなか確認することが難しいものです。そこで、ここでは日本ホームインスペクターズ協会の調査項目のうち、専門知識がなくてもチェックできる項目を紹介しましょう。
基礎‥基礎の表面にひび割れがないか
建物の不同沈下などの有無がわかります。大きなひび割れ(幅0.5m程度以上)がある場合は注意が必要です。
外壁
外壁の表面にひび割れがないか
目視でチェックすることで、建物の構造に大きな動きがあるかどうかわかります。
室内
室内の状態一剥れや水染みなどはないか
水染みなどがある場合は漏水や結露の心配があります。
床
歩いてみて、沈みやきしみがないか
きしみなどがない場合でも、床の傾斜を確認することは重要です。ビー玉を置いて転がるかどうかで判断できますが、床の傾きがある場合は建物の不同沈下や、部分的な荷重によるクリープ(変形)などによる場合もあります。その場合は専門家の調査と判断が必要でしょう。
床下の状態・屋根裏の状況
木材の著しい割れ、腐朽、虫食い、水染みなどの有無
これは専門家でなければ難しいかもしれませんが、目視可能であれば、これらを確認することで建物の状態を知ることができます。
このような項目をチェックして気になる点がある場合は、専門家の判断が必要であると考えてください。建物の状態を知るには総合的な判断が必要なのです。
プロがチェックする主なポイント
雨染み・結露などの判断
家の傾き・ゆがみなど
設備機器の状態
電気・上下水道・ガス設備などに関して
法的要件一用途地域、建ぺい率・容積率など、計画道路などの都市計画要件、接道要件など
基礎・地盤に問題はないか
床下の状況
屋根の問題
外壁の亀裂やクラックー表面的なものか、構造的な欠陥につながるものなのか
床のきしみ一建物全体に影響のあるものかどうか
防音・断熱性能
中古物件の価値は検査済証では測れない
中古物件などの場合、実施設計図書や構造計算書など、その建築水準を測れる資料と、監理報告書、材料の試験結果報告書など、その物件の監理状況や施工精度、強度がわかる資料によって、その価値を判断します。これらを参考にしたほうが、「検査済証」よりも本当の価値が判断できるといえます。
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