現行RAV4は1850幅規制には入庫できない!!新型はもっとダメ!!
近年のSUV人気により、マンションの機械式駐車場に愛車が入らないという深刻な問題が発生しています。 特にトヨタRAV4をはじめとする人気SUVは、1850mm幅規制の駐車場では物理的に入庫不可能なケースが多発。 マンション購入を検討中の方は必見の内容です。
SUV人気とマンション駐車場のミスマッチ問題

Q: なぜSUVが駐車場に入らないの?

A: 現代SUVの車幅拡大と、古い規格で設計された機械式駐車場の制限値にギャップがあるためです。
現在の日本では空前のSUVブームが続いており、トヨタRAV4、ホンダCR-V、日産エクストレイルなどの人気車種が街中を走り回っています。これらの車種は居住性や安全性の向上により車体が大型化しており、特に全幅(車の横幅)が従来の乗用車と比べて大幅に拡大しています。一方で、都市部のマンションに設置されている機械式駐車場の多くは、1990年代から2000年代初頭の車両サイズを基準に設計されており、現代のSUVには対応できない状況が生まれています。
この問題は単なる不便さにとどまらず、マンション購入後に愛車を駐車できないという深刻な事態を招いています。購入契約後に発覚するケースも多く、追加の駐車場確保や車両の買い替えを余儀なくされる住民が急増しているのが現状です。特に都心部では代替駐車場の確保も困難で、月額10万円を超える駐車料金を支払うケースも珍しくありません。
国内SUV販売台数の推移(2018~2023年)
※日本自動車販売協会連合会データより
機械式駐車場の1850mm幅規制の実態

Q: 1850mm制限はなぜ設けられた?

A: 1990年代の5ナンバー車基準で設計されており、当時の一般的な車幅1700mm未満に対応したためです。
機械式駐車場の1850mm幅制限は、日本の道路事情と車両規格の歴史的背景に深く関わっています。この制限値は1990年代から2000年代初頭に設定されたもので、当時主流だった5ナンバー車(全幅1700mm未満)を基準としています。しかし現在では、軽自動車でさえ1480mmの幅を持ち、コンパクトカーでも1700mmを超える車種が当たり前となっており、この規格が時代遅れになっていることは明らかです。
さらに重要なのは、この1850mmという数値がドアミラーを除いた車体本体の幅を指している点です。実際の駐車時にはミラーを格納する必要があり、それでも車体幅が1850mmを超える車両は物理的に入庫できません。また、機械式駐車場のパレット(車を載せる台)は安全マージンを考慮して設計されているため、表示制限値ギリギリの車両でも入庫を拒否されるケースが頻発しています。管理組合や駐車場運営会社は事故リスクを避けるため、制限値を厳格に適用する傾向が強まっています。他のページでも書きましたが、実際には現行ハリアー、現行RAV4は、1,850mm規制の機械式駐車場に物理的には入ります。しかし、私が住んでいるマンションのように、あくまでも車検書上の寸法が超える車両は、機械式駐車場に入れさせないという管理組合も増えてきています。
機械式駐車場の標準規格比較
項目 | 1990年代規格 | 2000年代規格 | 最新規格 |
---|---|---|---|
全幅制限 | 1,800mm | 1,850mm | 1,900mm |
全高制限 | 1,550mm | 1,550mm | 1,750mm |
全長制限 | 4,700mm | 5,050mm | 5,300mm |
重量制限 | 1,600kg | 2,000kg | 2,300kg |
RAV4をはじめとする入庫困難なSUV一覧

Q: RAV4以外にも入らない車は多い?

A: はい、ハリアー、CR-V、エクストレイルなど人気SUVの大半が1850mm制限をオーバーしています。
トヨタRAV4の全幅は1855mm(2WD)から1865mm(4WD)となっており、1850mm制限の機械式駐車場には寸法上入庫できません。しかし、この問題はRAV4に限ったことではありません。現在販売されている人気SUVの多くが同様の問題を抱えており、マンション住民にとって深刻な社会問題となっています。特に注目すべきは、これらの車種が日本市場で高い人気を誇っていることです。
国産SUVメーカーは北米市場を重視した設計を行っており、その結果として車幅が拡大しています。トヨタRAV4の場合、北米仕様の73インチ(約1854mm)を基準としているため、日本の駐車場事情を考慮した設計になっていません。ホンダCR-Vも同様で、グローバル戦略車として設計されているため、日本の機械式駐車場には適合しない寸法となっています。輸入SUVに至っては、さらに大型化が進んでおり、BMW X3やメルセデス・ベンツGLCクラスは1890mmの全幅を持つため、入庫は絶望的です。
1850mm幅制限での入庫可否一覧
車種名 | 全幅 | 全高 | 入庫可否 | 備考 |
---|---|---|---|---|
トヨタ RAV4 | 1,855mm | 1,690mm |
不可
|
5mm超過 |
トヨタ ハリアー | 1,855mm | 1,660mm |
不可
|
5mm超過 |
ホンダ CR-V | 1,855mm | 1,680mm |
不可
|
5mm超過 |
日産 エクストレイル | 1,840mm | 1,720mm |
条件付
|
パレット次第 |
マツダ CX-5 | 1,845mm | 1,690mm |
条件付
|
ミラー格納必須 |
スバル フォレスター | 1,815~1,830mm | 1,715mm |
可能
|
余裕あり |
BMW X3 | 1,890mm | 1,680mm |
不可
|
40mm超過 |
人気SUVの車幅比較(1850mm制限との関係)
新型RAV4は絶望的
新型RAV4は1,850mm規制の機械式駐車場に入るのでしょうか?
トヨタ公式HPには新型RAV4の詳細が載っています。廉価グレードのCOREの全幅は1,855mmとなっています。物理的には1,850mm規制の機械式駐車場に入庫可能です。しかし、上級グレードのGR SPORT・ADVENTUREは全幅1,880mmなので、入庫は無理でしょう。GR SPORT・ADVENTUREも入れようと思えば入るでしょうが、パレットの幅が問題になるでしょう。
マンション購入・SUV購入時の確認ポイント

Q: 契約前に何を確認すべき?

A: 駐車場の詳細規格、実際の入庫テスト、代替駐車場の有無を必ず確認してください。
マンション購入を検討する際、駐車場問題は住環境の快適性を大きく左右する重要な要素です。特にSUVオーナーや将来的にSUVの購入を考えている方にとって、駐車場の仕様確認は契約前の必須事項となります。不動産会社の営業担当者でも駐車場の詳細を把握していないケースが多く、「大丈夫だと思います」という曖昧な回答で契約を進めてしまうと、後々深刻なトラブルに発展する可能性があります。
確認すべき項目は多岐にわたりますが、最も重要なのは実際の入庫テストです。カタログ上の数値だけでなく、現地で愛車を実際に駐車場に入れてみることで、ドアの開閉スペースや車両の出し入れの難易度を体感できます。また、機械式駐車場の場合は操作方法や所要時間、故障時の対応なども確認しておく必要があります。管理組合の規約や使用細則も重要で、車両の変更時の手続きや制限事項を事前に把握しておくことで、将来的なトラブルを回避できます。
マンション購入前の駐車場確認チェックリスト
基本仕様の確認
- 全幅制限値(ミラー込み/除く)
- 全高制限値
- 全長制限値
- 重量制限値
パレット実寸法
- 実地確認項目
- 実際の入庫テスト
- ドア開閉スペース確認
- 操作方法・所要時間
- 故障時の対応方法
- 代替駐車場の有無
代替駐車場の月額費用比較(東京都心部)
※地域により大幅に変動します。
人気SUVを機械式駐車場に入れるための対策

Q: この問題は今後解決される?

A: 新築では改善傾向ですが、既存マンションの改修は困難で長期的な課題となります。
SUVの人気は今後も継続すると予想される一方で、既存マンションの機械式駐車場を改修することは技術的・経済的に非常に困難です。駐車場設備の全面的な入れ替えには数千万円から億単位の費用が必要となり、管理組合での合意形成も容易ではありません。そのため、当面は現在の規格のまま運用される駐車場が大多数を占めると考えられます。この状況を受けて、新築マンションでは徐々にワイドパレット対応の駐車場が導入されつつありますが、供給量はまだ限定的です。
自動車メーカー側の対応も注目されています。トヨタは日本市場向けの専用グレードとして車幅を抑えたモデルの投入を検討しているとの報道もあり、ホンダやマツダも同様の動きを見せています。しかし、安全性能や居住性を犠牲にしてまで車幅を縮小することには技術的な限界があり、根本的な解決策とはなりにくいのが現状です。むしろ、都市計画や建築基準法の見直しにより、新築マンションの駐車場規格を現代の車両サイズに適合させることが長期的な解決策として期待されています。
駐車場問題への対策案と実現可能性
• 新築マンションでのワイドパレット標準化
• 平置き駐車場の増設
• 近隣駐車場との提携サービス
• SUV専用駐車場の整備
• 既存駐車場の段階的改修
• 建築基準法の駐車場規格見直し
• 自動車メーカーの日本専用モデル開発
• 共用駐車場システムの普及
• 都市計画レベルでの駐車場政策転換
• 自動運転技術による駐車効率化
• カーシェアリングの普及による所有台数減
• 電動化に伴う車両設計の最適化
まとめ
マンションの機械式駐車場における1850mm幅規制は、RAV4をはじめとする多くのSUVオーナーにとって深刻な問題となっています。この問題は単なる不便さを超えて、マンション選びや車選びの重要な判断材料となっており、購入前の十分な確認が不可欠です。
現在のSUV人気と駐車場規格のミスマッチは、日本の都市部住宅事情の構造的な問題を浮き彫りにしています。短期的には個別の対応策に頼らざるを得ませんが、長期的には社会全体での取り組みが必要となるでしょう。
マンション購入を検討される方は、駐車場問題を軽視せず、事前の詳細確認と現地での入庫テストを必ず実施することをお勧めします。「後で何とかなる」という楽観的な判断は、後々の大きな後悔につながる可能性があります。
参考リンク
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本記事の内容は2025年7月時点の情報に基づいています。最新情報は各メーカー・管理会社にご確認ください。
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