「管理」の質の良し悪しが購入後の資産価値を決める!!【分譲マンションの常識】

マンション資産価値 管理

「管理」が資産価値を決める!!

マンション管理

「マンションは管理を買え」とよくいわれます。

個人的にはこれには非常に強く同調します。マンション管理が資産価値や住み心地などに大きく影響します。ここではモデルルームなど現地見学とあわせて、マンションの管理形態についてチェックしなければなりません。マンションの管理について簡単に説明しておきます。

マンション管理は資産価値に直結する

分譲マンションは1つの敷地と建物を多くの人で共有し、共同に利用する集合住宅です。その集合住宅の環境を維持し、管理するための主役が、所有者全員によって組織される「管理組合」です。実際に管理業務を行う管理会社は、この管理組合と契約を結び、共用部分や各設備の保守・修繕など内容に沿った業務を行います。

「自分は管理に参加したくない」と考える人も多いことでしょう。しかし、そういった考えの人が多い場合、残念ながらマンションの価値を保てなくなっていくことが懸念されます。マンションは、管理やメンテナンスをどう施したかで建物自体の質に大きな差が生じます。ていねいに管理をしているところは、築年数が経過しても購入当初とほぽ変わらない良好な状態を保てるのです。「管理力」こそが資産価値に大きな影響を与えるので、管理に積極的に関わりましょう。

購入前に管理の様子を読み取るためにも、管理費や修繕積立金の平均額を知り、広告に書かれている金額と比べてみてください。基本的には管理戸数が少ないほど、管理費は割高に。特に修繕積立金は安すぎる場合、後々大規模修繕の際に追加徴収されることも考えられます。安ければラッキー、というわけではないので注意が必要です。また、物件概要から管理会社はどこなのか、管理員の勤務形態は常駐なのか、などといった管理の情報もわかるので、要チェックです。

※100%を求めていてはマンションは買えない!

・マンション管理はだれがするの?

新築分譲マンションの管理は誰が行うのでしょうか?

販売会社でしょうか?

それともマンション管理会社でしょうか?

管理員さんがしている、と思っている方もおりますが、正解は「区分所有者による管理組合」がマンションの管理を行います。「区分所有者」とは、「マンションの持ち主」です。マンションを購人した人たちが自分で管理を行うことになっています。「管理組合」には、区分所有者全員が自動的に組合員となります。とはいうものの、マンションの維持管理には専門的な技術や知識が要求されるので、実際の作業は管理会社に委託することになります。毎月支払う管理費は管理組合の運営費のほかには、主に管理会社への管理委託料として支払われます。

毎月の管理費のほかに「修繕積立金」を支払います。これは管理費のように使ってしまうお金と違い、口座に積み立てられます。マンションは竣工してからも、定期的に修繕することを前提に設計・建築されているので、修繕積立金から日常の小修繕や定期的な工事などのメンテナンスが行われます。購入した後の修繕費は、白分たちで行う必要がありますので、そのために毎月一定金額(床面積によって異なる場合がある)を積み立てます。マンション購入時に修繕積立金の金額が提示されていますが、一般的に修繕積立金は、最初は低めに設定してあります。およそ築10年目超ぐらいで、最初の大規模修繕工事が行われます。そのときにお金が足りなくならないように、つねに修繕積立金を見直さなければなりません。

※修繕費、理解してますか?

・管理組合って何をするの?

①管理するのは共用部分

マンションは、各所有者が自由にできる「専有部分」と、所有者全員の共有となる「共用部分」に分けられる。マンション管理の対象となるのは共用部分となる。

②管理の主役は管理組合

マンションの管理は、所有者全員によって組織される管理組合が主体となって行う。管理会社は、管理組合と「管理委託契約」を結び、その内容に沿った業務を行う。

・不動産会社とマンション管理会社は違うの?

マンションの管理体制

通常マンションの管理は、管理組合が管理会社に委託することになっていますが、新築分譲の場合は、まだ「管理組合」ができていませんので、販売会社(売主)がマンション管理会社を選定して委託契約をしています。マンションの管理会社は、かつてはデベロッパーや不動産会社の系列会社(子会社)などが請け負っている場合がほとんどでしたが、最近はマンション管理を専業とする会社も増えていることなどから、販売会社が責任をもって選定しているようです。

・管理組合の運営

管理会社

管理組合では、「管理組合総会」が年に1回開催されます。

この総会においてマンション管理に関する重要な案件について議決をとり、決定します。管理組合には理事(役員)による理事会があり、毎月〜数か月に1回開かれています。管理組合総会で議決される事項は、あらかじめ連絡がくることになっています。他に、大規模修繕工事の時期になると、特別委員会をつくるケースもあります。

理事は、希望者を募ったり、輪番制になっていたりと、それぞれのマンションによって決められています。これも、販売会社が入居前に事前に依頼して、仮の理事が選定されます。管理組合が円滑に機能し、管理が行き届いているマンションは、住民どうしの雰囲気もよく、建物も常に正常であり、管理費の滞納などに対してのチェックも働くので、暮らしやすく資産価値の落ちづらいマンションになりやすいといえます。建物や立地などは変更できませんが、この管理の質によっては資産価値が大きく変わります。

・マンションの基本的なルールの「管理規約」

これには建物の区分所有や共用部分について、敷地利用権、管理者、規約と集会、管理組合法人、義務違反者に対する措置、建替えなど、マンションと管理組合に関しての法律です。「区分所有法」が大もとの法律であるのに対して「管理規約」は、それぞれのマンションに合わせてつくられる管理についての基本的なルールです。マンション購人時に渡されます。これは「標準管理規約」というひな形があり、それを元にそれぞれのマンションに適するようにつくられます。最初の管理規約は、販売会社(もしくは管理会社)が作成することが多いようです。これはマンションに合うように、後に変更することができます。ただし、管理規約の変更は管理組合総会での承認が必要となります。

・生活のための決まりが「使用細則」

管理規約が管理組合や総会など公の決まりが定められているのに対して、マンションでの生活のルールなどを定めたものが「使用細則」です。専有部分や専用共用部分の使い方や、音やゴミ出し、ペットや駐輪場の使用法などのルールが決められています。他にも、宅配ボックスや集会室などの共用部分の使い方を定めている場合もあります。使用細則は、管理規約と同様に変更することができます。使用細則の変更も管理組合総会での承認が必要となります。

・長期修繕計画と大規模修繕工事

分譲マンションの共用部分は、定期的なメンテナンスが必要となります。このため、「長期修繕計画」といって、マンションの共用部分の各部分の修繕時期を定めます。また、10年目や20年目などは、足場を架ける大きな修繕工事となりますので「大規模修繕工事」と呼ばれます。長期修繕計画も、管理規約同様、すでにマンションにあわせて販売会社か管理会社によって通常作成されています。長期修繕計画や大規模修繕工事については、専門的な知識も必要となってきますので、販売会社か管理を委託している管理会社にわからないことがあったらよく聞いておきましょう。劣化したところを修繕するだけでなく、仕様を上げる「グレードアップエ事」も行われることがあります。外壁の仕様変更やエントランスにスロープを設置したりと、さまざまなグレードアップエ事があります。

費用については、修繕積立金だけではまかないきれないことがあります。その場合は一時金を徴収したり、また借入れをして、ローンで返済することもあります。できるだけ負担が少なくなるように費用と工事内容を選定する必要があるので、管理組合としては大変な仕事になりますが、大規模修繕工事を通じて自分たちのマンションの資産価値について理解が深まっていくのです。管理組合の活動だけでなく、サークル活動や親睦会、旅行などを開催して住人同士のコミュ二ケーショッのとれているマンションは、合意形成もしやすく、大規模修繕工事についても良い方向にまとまることが多いようです゜日ごろからイベントなどで親睦を深めているマンションが多くなっています。まだ、管理組合活動が順調に行われていない時期は、管理会社が企画会社に委託して、コミュニケーションを図るためにイベントを開催しているマンションもあります。

 

マンションは管理で買えは「本当」

直接的には新築マンションの購入価格に反映されませんが、将来の価値に差がつく意味で大切なのが、「管理体制」と「長期修繕計画」。マンションの場合、一つの建物を複数の所有者で共有するため、エレベーターやエントランスなどは共有の財産であり、掃除や修理をする管理会社が重要になります。

マンション管理というと、日々の掃除のイメージがありますが、エレベーターや電気、給排水衛生設備の保守・点検、駐車場、駐輪場、ゴミ置き場などの付属施設の管理など業務範囲は多彩です。共用部分の傷み確認、植栽のメンテナンス、消防設備や非常灯の点検など、定期的に行う業務も多くあります。これらが粛々と行われているか否かで、10年、20年経ったときも、安全で住みやすく美観が保たれたマンションなのかが大きく違ってくるのです。

新築マンションの場合、中古と違い、管理体制がしっかりしているかどうかは、パンフレットなどで確認するしかありません。管理員の勤務形態が物件の規模に合ったもので、常駐なのか、通勤なのか、巡回なのかという部分はチェックポイント。また、管理業務委託契約の内容も読んでおきましょう。最近のマンションは長期修繕計画が作成されているのが一般的になりましたが、それを遂行するために助言するのも管理会社。修繕のノウ(ウの有無も、過去の管理業績などを見て、質問するといいでしょう。

管理会社への委託度合いで

負担と利便性が異なるマンション管理には

【自主管理】
【一部委託管理】
【一括委託管理】

の3種類があります。自主管理は、区分所有者が自ら掃除やメンテナンスを行うので管理費は安く済みますが、役員の負担が重く、住民トラブルになりがち。一括委託管理の場合でも、管理員が常駐か。通勤か、巡回かで大きく体制が変わります。常駐は夜間や休日にもすばやい対応が可能ですが、その分、管理費はやはり高くなります。

 

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