中古マンションのメリット・デメリット
新築とはちがう魅力がある中古マンション
中古マンションを「新築に手が出ないから買う」とネガティブにとらえていませんか? 「人が使ったのはイヤ! なにがなんでも新築というこだわりが強い人もいるでしょう。しかし、マンション購入にあたって優先するのが、広さや利便性なら、中古マンションも視野にいれたほうが納得いく物件が探しやすくなります。また、広告で「中古」と表示されていても、実際は未入居の物件もあります。中古マンションには価格の安さ以外にも魅力はいろいろあります。物件数がとても豊富で人・管理の「現状」が入居前に把握できるのがメリットです。
・価格が安い
たとえば同じ新築マンションでも、駅から徒歩40分の物件と、徒歩10分の物件では価格がちがいます。物件の価格は築年数だけで決まるものではなく、複合的な要因で決まるものなのです。同じような立地条件なら、新築よりも中古マンションのほうが当然、価格が安くなります。また、新築の場合、広告やモデルルーム建設などの販売費用が物件価格に反映されているものですが、中古ならそうした費用は入っていません。同じ価格でも、中古マンションは新築よりも条件のよい物件を入手できる可能性が高いのです。
・物件数が豊富
新築マンションの供給数が20万戸強なのに対して、中古マンションは500万戸強となっています。圧倒的に中古マンションのほうが多いのです。数が多ければ、それだけ選択肢も増えます。「角部屋がいい」「最上階に住みたい」「駅から近いほうがいい」などなど、新築マンションでは満たされなかった条件が、中古物件ではクリアできるかもしれません。絶対数が多い中古マンションのほうが、理想の住まいの条件を満たす物件に出会える確率が高いといえるでしょう。
・管理状況がわかる
どんなに立派なマンションでも、管理が不十分では一気に劣化が進んでしまいます。「管理」はマンションにとっての命脈といえるのです。新築マンションでは、管理計画の説明があったとしても、それが実際に履行されるかは未知数です。その点、中古マンションの場合は、現状の管理の状態をしっかりと確認できます。中古マンションの下見の際は、ゴミ集積場が清掃されているか、集合ポスト付近にチラシが散乱していないか、エレベーターの「定期検査報告済証」の日付が2年以内かなど、管理状況をしっかりチエックしたいものです。
・現物・周辺がわかる
新築マンションでは確認が難しく、しかし、住みはじめると意外と気になってしまう問題、それが「音」です。中古物件は、隣戸からの音のほか、道路や周辺建築物からの音など、契約の前にしっかり確認できます。日当たりや眺望など、実際の状況をリアルに確認できることは大きな安心感につながります。
・借入金額が少なくて済む
2000万円の新築マンションなら8割ほどの融資を受けられますが、2000万円の中古マンションは銀行からの融資額がグッと落ちてしまいます。銀行は中古マンションを競売価格で評価するからです。また、物件評価額・融資金額は金融機関によって異なります。A銀行では1200万円の評価でもB信用金庫では1500万円の評価ということもありますので、いくつかの金融機関にあたってみることをおすすめします。
銀行融資をあてにしすぎると、中古マンションの購入は難しくなります。販売価格は確かに新築マンションよりも安いのですが、銀行融資額があまり多くないということに留意しなくてはいけません。融資があまり受けられないということは、ある程度の自己資金がないと購入できないということです。中古マンションの場合、融資の基準となる競売価格に開きがありますから、気に入った中古マンションがあったら銀行の融資担当者に住宅ローンの相談をしてみましょう。融資可能額がわかれば、必要な頭金の額も把握できます。
・既存のコミュニティがある
マンションにどんな人が住んでいるのか、事前にわかるのも中古マンションのいいところです。ただ、すでにできあがったコミュニティに新たに参加しなくてはいけないという惻面もあります。とくに、小さい子供がいるとママさんグループに参加しないわけにはいきません。多くのマンションは子供を危険から守るために、父兄が持ち回りで集団登校の引率をしています。こうした体制は子を持つ親としては心強いものですが、自分自身も責任を負う覚悟が必要です。「仕事が忙しい」と言い訳して他人まかせにしないで義務を果たさねばいけません。
また、義務を果たせばそれだけで済むかというと、そう単純にことが進まないのが難しいところです。引率のあとに必ず始まる「世間話」に、あたりさわりなく、適度に参加する必要があります。親同士の関係は子供にも波及してしまいます。ほかの父兄とのつきあいをおろそかにしていると、なにかのときに手助けしてもらえません。中古マンションはすでに人間関係が形成されているので、そこになじむための努力が新築マンション以上に必要といえるでしょう。
・現物を確認できる
実際のマンションを訪れ、外観や共用部分、そして専有部分である部屋の日当たりや眺望、広さなどの現地見学ができるのも、中古マンションを購入するうえでの大きなメリットです。
新築分譲マンションを購入する場合は、図面とモデルルーム、価格表だけで判断することになります。そのため実際に住んでみると、
「イメージしたよりも狭かった」
「隣接した建物が光を遮って日当たりがあまりよくなかった」
「天井が低かった」
「家事動線が良くなかった」
「収納が少なすぎた」
など、想像とは異なる部分が多々出てくるものです。このように、リノベーションによる間取りの変更では解決できない不満を抱くことになる可能性もあります。しかし中古マンションであれば、すでに建っている物件を内覧できるので、窓からの眺望や日当たり、風通りなど、物件の立地条件や専有面積を直接、自分の目でしっかりと確認することができるのです。
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