「中古マンション」びいきで考えてみる!!
新築マンションと中古マンションを比べた場合、簡単に良い、悪いといった優劣をつつけることはナンセンスだといえるでしょう。それぞれに特性や特性があり、メリットとデメリットがあるからです。また、自分がどんな住まいを理想とするかによっても、それぞれの魅力は大きく異なります。他人が住んでいたことが気になる人や、リフォームの手間を惜しむ人には、新築マンションがお勧めです。一方、「一から理想の住まいをつくってみたい」「立地や間取りなどの条件面で妥協はしたくない」という人であれば、中古マンションのほうがおすすめできるでしょう。
新築は買ってすぐに資産価値が下がる
2004年から2006年は不動産業界にミニバブルが起こり、新築マンション市場もバブル化しました。不動産投資ファンドが加熱したことで、都心部を中心に地価が著しく上昇した現象です。このときに仕込んだ用地は2006年から2009年にかけて売り出されましたが、2008年のリーマンショックによって、あっという間に首都圏の不動産価格は大幅に下落してしまいました。そして2020年の現在も、世界同時不況で景気後退が危惧され、各国の不動産市場も暴落しています。今年こそ、新築マンション市況もはっきりと下落すると言われています。新築マンションの購入には、常にこのようなリスクがつきまといます。
当然のことながら、新築マンションは買ったとたんに中古となります。買い手がつかなければ、たとえ新築でも1年で中古扱いとなります。資産価値が下がりにくい物件もありますが、購入価格よりも安く売るしか方法がない場合がほとんどです。資産価値とは、簡単にいえば、「いくらで売れるか」をあらわした値段です。人気が高い物件は、売値が上がるので、「資産価値が高い」といえます。その一部は年代である程度判断することができます。築年数が古いものは、安全面や内装の面であまり人気がないので、資産価値は低くなります。
都内の新築マンションの場合、せいぜい広さは2LDKです。購入時にはその広さで十分だと思っていても、子どもの誕生や成長といったライフスタイルの変化によって、「この間取りでは手狭なので住み替えをする」といった決断をする人も多く見られます。このように、「新しさ」ばかりにこだわって新築マンションを購入しても、広さや間取り、立地などの条件面で不都合や妥協があれば、いずれ納得がいかなくなり、手放してしまう可能性もあるのです。
中古マンションの質は格段に向上している
中古マンションの場合はどうなのでしょうか。2006年春頃から、首都圏だけで年間10万件を超えるマンションの大量供給が始まりました。その影響で、マンションの在庫ストックが中古市場で大きなボリュームゾーンになっています。築10年以内の「築浅」マンションのうち、東京都内が半数以上を占めていると言われています。最近では、開発に適した用地が少なくなったため、都心の優良立地の新築マンションは大幅に少なくなっています。しかし、中古であれば都区内でも立地条件のよい物件があるので、広いファミリータイプのマンションを購入するのも夢ではありません。
マンションの販売価格は、一般的に築10年をすぎるとほぼ下がり切った状態で販売されているケースがほとんどです。そのため「築10年が狙い目」ともいわれます。しかも新築マンションと比べて、その後、住み続けても資産価値が極端に値下がりするリスクが低いのです。ここで、マンションの歴史を少し振り返ってみましょう。日本で初めて分譲マンションの販売が開始されたのが1955年(昭和30年)前後。当時は新築信仰が強い高度成長期の時代であり、以来「新築重視&中古軽視」は根強く続きました。ところが、バブル崩壊で住宅市場は大きく様変わりします。地価の下落に伴って建物自体にコストがかけられるようになり、家はこれまでのような耐久消費財ではなくなり、建物の質が大きく向上したのです。
さらに、2006年6月には、住生活基本法が制定され、国策として「次世代まで継承していける良質な住宅ストックの確保」が打ち出されました。つまり、これまで資金不足の人のための受け皿として軽視されていた中古マンションの市場価値が急激に向上していったのです。よっぽど古いマンションでなければ、低価格でもよい物件がそろっているのが中古マンション市場の現状です。
中古マンションは築●●年がお買い得
中古マンションを探す上での「価格」の見極めは、どのようにすればいいのでしょうか?中古マンションこそ「価格」の見極めが難しいのです。
でもその前に、そもそも中古マンションの価格というのはどのように決まるのかご存知でしようか?マンションの価格は、築年数が多くなるにつれて限りなくゼロに近づいていきます。住宅の価値は通常、土地と建物の二つの審査基準から査定されますが、マンションは異なります。土地の価格は常に増減し変動するものですので、例えば家の近くに駅や便利な施設ができて人が集まるようになれば、需要が高まり土地の値段が上がります人気がある地域の土地は価格が高く、人気がない地域は土地の価格が低い、これは新築マンションでも中古マンションでも同じことなのです。
一方、建物の価格や価値は、築年数に応じて次第に落ちていきます。決して上がることはありません。当然ながら価格は新築時が一番高い状態で、そこから急激に落ちていきます。大幅な価格の下落が落ち着くのは、建物が建っておよそ15年ほど経ってからなのです。15年以降の大幅な値動きがなくなってからの価格が、リノベーションしたいと思っている方にとって最適な価格といえます。マンションリノベーションにするのなら、築15年以上の中古マンションがお勧めです。そして築20年以上になると大きな値動きがほばなくなりますので、そういった安定した物件を慎重に見つけ出し、古くなっている内装は自分好みにリノベーションすることで資産価値も高く、中身の満足度も高い家を安価で手に入れることができるのです。
リノベーションなら築15~20年が狙い目!!
築15年以上と言うと15年も使われてきた古いマンションと思われる方も多いのですが、一般的にマンションの寿命は60~80年程度とされており、手厚い修繕を行えば100年以上住み続けることが可能だと言われています。築15~20年であれば、残りの耐用年数としては十分です。中古物件をよく見てみると、15年や20年でこんなに価格が下がるのかと驚くような物件もあります。新築当時の価格や、同じエリアの同じくらいの広さの新築マンションの価格と比較してみると、築15~20年のマンションのお得感が実感できると思います。ここで問題となるのが、新築時の価格が分からいことです。また、中古で買おうと思っているマンションの相場も具体的にはわからないでしょう。そんな時にはインターネットのサイトが便利です。
メリットを比較することが重要
新築には新築のよさが、中古には中古のよさがあり、どちらを買ったら理想の暮らしがかなえられるか迷うことでしょう。「この物件がいい!」と後悔なく迷わず決めるには、一つのコツがあります。それは、両者のデメリットをしっかり比較することです。
たとえば、熟慮を重ねて最後に2つの物件が候補として残ったとしましょう。しかし、デメリットを「どちらのほうが妥協できるか」という方向性で考えるのではありません。ポイントは、両者のデメリットを解決する方向性で検討することです。そして、その解決法がまさにリノベーションなのです。立地や広さを変えることはできませんが、間取りや設備、住み心地は、リフォームによって自分の理想どおりにつくり直すことができるからです。それらに関してデメリットを感じる場合は、立地や面積に関してデメリットを感じる場合よりも、解決できる可能性が高いといえるでしょう。
・中古のデメリットは9割解決できる
新築マンションのデメリットを解決する方法は、ほぼゼロに等しいといえるでしょう。それに対して、中古マンションのデメリットは、約8割解決することができると私は考えています。もちろん、短寿命住宅、老朽化、耐震強度が不十分、古くて陰気な外観といった物件は、最初から選択肢から外せば済むことです。場合によっては、新築のメリットをリフォームによって中古で実現することも可能です。最近では、中古マンションを間取りから設備に至るすべてにおいて理想の住まいにリフォームする人も増えてきました。
メリット・デメリット比較
~ 中古マンション ~
【メリット】
【デメリット】
~ 新築マンション ~
【メリット】
【デメリット】
新築マンションの購入者にとって、中古を選ばなかった主な理由として「新築の方が気持ちがいい」という感覚的な理由が最も多かったことがわかります。また、中古物件にはリフォーム費用が発生するそれに、「隠れた不具合や給排水管の設備の老朽化が心配」という点や、「価格が考えるかどうかの判断が難しい」という不安も新築を選ぶ理由として挙げられました。
とりあえず、中古マンションを選ぶ主な理由としては、「予算的に手頃だった」という経済面が最も多く、新築に特にこだわらないという購入者の意識や、リフォーム中の住みやすさ、そしてこれにより、中古マンションの魅力として価格の手頃さが強調されていることが理解できます。
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