広島の中古マンション価格推移は+13.6%(10年後予想)!
ダイヤモンド不動産研究所が発表した広島県の中古マンション価格推移データを詳しく分析。 過去10年で42.2%上昇し、今後10年でさらに13.6%の上昇が予想される広島県の不動産市場について、 一般のマンション検討者にも分かりやすく解説します。立地条件、築年数、人口動態など、 価格に影響する要因を多角的に検証し、購入タイミングの判断材料を提供します。
広島県の中古マンション価格は過去10年で42.2%上昇。今後10年でさらに13.6%の上昇が予想され、 中国地方では最も有望な不動産投資エリアの一つとなっています。
広島県中古マンション市場の現状分析
ダイヤモンド不動産研究所の最新データによると、広島県の中古マンション価格は2022年時点で2,140万円(101万円/坪)となっており、 過去10年間で実に42.2%という驚異的な上昇を記録しています。この数字は全国的に見ても非常に高い水準であり、 広島県の不動産市場が活況を呈していることを如実に示しています。
現在の平均的な中古マンションの特徴を見ると、築年数は1996年築で約26年、駅からの平均距離は16分、 平均専有面積は70.0㎡(21.2坪)となっています。これらの数値から、広島県では比較的築年数の経った物件でも 高い価格を維持していることが分かります。特に注目すべきは、前年比でも2.0%の上昇を続けており、 価格上昇トレンドが継続していることです。
中国地方の他県と比較すると、広島県の価格水準と上昇率の高さが際立っています。岡山県が1,832万円で41.1%の上昇、 鳥取県が1,495万円で29.0%の上昇となっている中、広島県は価格・上昇率ともにトップクラスの実績を示しています。 これは広島県が中国地方の経済中心地として機能し、人口流入や企業活動が活発であることの証左と言えるでしょう。

Q: 広島県の中古マンション価格は?

A: 2022年時点で2,140万円、過去10年で42.2%上昇し中国地方トップクラスです。
広島県中古マンション価格推移
出典:ダイヤモンド不動産研究所
中国地方各県価格比較
出典:ダイヤモンド不動産研究所
10年後の価格予想と投資価値
麗澤大学の仙石裕明客員准教授による分析では、広島県の中古マンション価格は今後10年間でさらに13.6%の上昇が予想されており、 2032年には2,431万円(115万円/坪)に達すると予測されています。この予想は、人口動態、GDP成長率、 過去の価格推移パターンなどを総合的に分析した状態空間モデルに基づいており、高い信頼性を持っています。
注目すべきは、この13.6%という上昇率が中国地方の他県と比較しても決して低くないことです。 岡山県の21.7%には及ばないものの、鳥取県の12.4%、島根県の2.0%、山口県の6.8%を上回っており、 安定した成長が期待できる地域として位置づけられています。特に、過去10年間の42.2%という高い上昇率を考慮すると、 今後の13.6%という予想は現実的で持続可能な成長率と言えるでしょう。
投資価値の観点から見ると、広島県の中古マンション市場は「安定成長型」の特徴を示しています。 急激な価格上昇は期待できないものの、着実な資産価値の向上が見込めるため、長期保有を前提とした 実需購入者にとって魅力的な市場と言えます。また、賃貸需要も安定しており、投資用物件としても 一定の収益性を期待できる環境が整っています。

Q: 10年後の価格予想は?

A: 2032年に2,431万円、現在より13.6%上昇で安定成長が期待されます。
10年後価格上昇率比較
出典:ダイヤモンド不動産研究所
過去と未来の成長率比較
出典:ダイヤモンド不動産研究所
立地条件が価格に与える影響
中古マンションの価格を決定する最も重要な要素の一つが「駅からの徒歩距離」です。 広島県のデータを分析すると、駅から徒歩1分の物件は95万円/坪、徒歩5分で92万円/坪と、 駅至近の物件が高い価格を維持していることが分かります。興味深いのは、徒歩10分を超えると 76万円/坪で横ばいとなり、距離による価格差が一定のレベルで収束することです。
この傾向は、広島県の都市構造と密接に関係しています。広島市を中心とした都市部では、 公共交通機関の利便性が高く評価される一方で、郊外エリアでは自動車での移動が主流となるため、 駅距離の影響が相対的に小さくなります。特に徒歩10分以降で価格が横ばいになるのは、 この地域特性を反映した現象と言えるでしょう。
公示地価のデータを見ると、広島市中区の東区が103万円/坪で最も高く、前年比3.4%の上昇を記録しています。 続いて南区が89万円/坪、西区が72万円/坪となっており、中心部ほど高い価格水準を維持しています。 一方で、郊外の呉市や福山市では10万円台前半の価格となっており、立地による価格格差が明確に現れています。

Q: 駅距離で価格はどう変わる?

A: 駅1分95万円/坪、10分以降は76万円/坪で横ばい、立地格差が明確です。
駅距離別価格分析
出典:ダイヤモンド不動産研究所
広島県内公示地価比較
築年数による資産価値の変化
築年数は中古マンションの価格を決定する重要な要素の一つです。広島県のデータを分析すると、 築1年の新築同様物件は145万円/坪と最も高い価格を示し、築5年で122万円/坪、築10年で102万円/坪と、 築年数の経過とともに段階的に価格が下落していく傾向が明確に現れています。
特に注目すべきは築20年までの価格下落パターンです。築15年で87万円/坪、築20年で74万円/坪となっており、 新築時から約半分の価格水準まで下落します。しかし、築25年以降は67万円/坪前後で安定し、 築30年では71万円/坪とやや回復する傾向も見られます。これは、築年数の古い物件の中でも 立地や管理状態の良い物件が市場で評価されていることを示しています。
この築年数による価格変動パターンは、購入タイミングを考える上で重要な指標となります。 築10年前後の物件は新築時の約7割の価格で購入でき、まだ十分な耐用年数を残しているため、 コストパフォーマンスの観点から魅力的な選択肢と言えるでしょう。一方で、築20年を超えた物件は 価格の下落が緩やかになるため、長期保有を前提とした場合の資産価値の安定性が期待できます。

Q: 築年数で価格はどう下がる?

A: 築1年145万円/坪から築20年74万円/坪まで下落、以降は安定傾向です。
築年数別価格推移
築年数別価格詳細表
築年数 | 坪単価 | 新築時比 | 購入メリット |
---|---|---|---|
築1年 | 145万円/坪 | 100% | 新築同様の設備・仕様 |
築10年 | 102万円/坪 | 70% | コスパ良好、十分な耐用年数 |
築20年 | 74万円/坪 | 51% | 価格安定期、リノベ向き |
築30年 | 71万円/坪 | 49% | 立地重視、管理良好物件狙い |
人口動態から見る将来性
不動産価格の長期的な動向を予測する上で、人口動態は極めて重要な指標です。 人口問題研究所の最新推計によると、広島県の人口は2020年の279.9万人を基準として、 2050年には222.9万人まで減少し、指数で表すと79.6(2020年=100)となる見込みです。 これは約20%の人口減少を意味しており、全国平均の減少率とほぼ同水準です。
しかし、中国地方の他県と比較すると、広島県の人口減少率は相対的に緩やかです。 山口県が69.0、愛媛県が70.8、鳥取県が73.3、島根県が74.1という数値に対し、 広島県の79.6は最も高い水準を維持しています。これは、広島県が中国地方の中核都市として 機能し続け、他県からの人口流入が期待できることを示しています。
人口減少が不動産価格に与える影響は複合的です。確かに総人口の減少は住宅需要の減少につながりますが、 都市部への人口集中が進むことで、広島市を中心とした中心部の不動産需要は相対的に維持される可能性があります。 特に、利便性の高い立地の中古マンションは、人口減少下でも一定の需要を確保できると考えられ、 これが今後10年間で13.6%の価格上昇予想の根拠の一つとなっています。

Q: 人口減少の影響は?

A: 2050年に79.6(2020年=100)だが中国地方では最も緩やかな減少率です。
広島県人口推移予想
購入検討者向けの実践的アドバイス
広島県で中古マンションの購入を検討している方にとって、最も重要なのは適切な購入タイミングと 予算設定です。フラット35の借入可能額を基準に考えると、年収400万円の方で約3,611万円、 年収500万円の方で約4,513万円の借入が可能です。現在の広島県の平均価格2,140万円を考慮すると、 年収400万円以上あれば十分に購入可能な価格帯と言えるでしょう。
購入タイミングについては、今後10年間で13.6%の価格上昇が予想されているため、 早期の購入が有利と考えられます。特に、築10年前後の物件は価格と品質のバランスが良く、 コストパフォーマンスの観点から推奨できます。立地については、駅徒歩10分以内の物件を 選択することで、将来の資産価値維持が期待できます。
投資目的での購入を考えている方は、広島市中心部の物件に注目すべきでしょう。 人口減少が進む中でも、都市部への集中は続くと予想され、賃貸需要の安定性が期待できます。 また、リノベーション前提での築20年以上の物件購入も、価格の安定性を考慮すると 魅力的な選択肢となり得ます。重要なのは、長期的な視点での資産価値評価と、 自身のライフプランに合った物件選択を行うことです。

Q: いつ買うのがベスト?

A: 今後10年で13.6%上昇予想のため早期購入が有利、築10年前後が狙い目です。
年収別借入可能額
出典:フラット35(金利1.84%、借入期間35年)
購入戦略マトリックス
出典:市場分析に基づく推奨戦略
購入チェックポイント
• 駅徒歩10分以内を優先
• 広島市中心部の利便性重視
• 将来の再開発計画確認
• 周辺環境の安定性
• 築10年前後がコスパ良好
• 管理状態の良好さ確認
• 修繕積立金の適正性
• 将来の大規模修繕計画
参考資料・関連リンク
- ダイヤモンド不動産研究所
- 麗澤大学AIビジネス研究センター
- 国土交通省不動産情報ライブラリ
- 国立社会保障・人口問題研究所
- フラット35公式サイト
- 仙石裕明氏(麗澤大学AIビジネス研究センター客員准教授)
- 国土交通省公示地価・基準地価
本記事の内容は2025年8月時点の情報に基づいています。 不動産価格は市場状況により変動するため、購入検討時は最新情報の確認と専門家への相談をお勧めします。
※不動産投資にはリスクが伴います。購入前には十分な検討と専門家への相談を行ってください。
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