長期修繕計画は鵜呑みにするな!!【マンション検討】

デザイナーズ 管理

長期修繕計画は信じてよいのか???

 

長期修繕計画は信じてよいのでしょうか?

信じるも、信じないも・・・

計画ですから。

 

あくまでも計画!!

 

 

新規新築分譲マンション購入には、「長期修繕計画書」というものがあります。長期修繕計画書とは、築年数とともに、修繕箇所と修繕サイクルが一覧表になっているものです。さらに、修繕積立金と貯蓄高の変化や修繕工事の概算費用などが細かく記載されています。これは国土交通省のガイドラインで定められています。

長期修繕計画は、おおよその目安になりますが、実際の工事金額からは5割増し前後の金額で計算されているために、実用性はないと言ってよいでしょう。竣工図面などから建築部材の数量などを拾い出し、工事範囲や単価から必要な金額をはじき出しているにすぎないのです。あてにならないのです。

 

それでは、実際の修繕工事のための資金計画はどうすればいいのでしょうか。これは長期修繕計画書をどのように作成するかでも左右されますが、建物を具体的に調査したわけではなく図面から見積もりをはじき出していることには変わりないのです。長期修繕計画書とは、そういう作り方をするために、金額的にも工事時期についても幅が大きく精度が低いと考えておいたほうが良いでしょう。工事金額を具体的に算出するためには、建物診断をして工事範囲や工事部材と工事方法の選定をしなければできません。

つまり、建物診断をせずには具体的な金額を出せないのが現実なのです。ところが、建物診断は健康診断と同じで、現時点では状態がわかっていても1年や2年後にはどの程度傷んでいたり、老朽化が激しくなっているかはわからないのです。

 

長期修繕計画は信用できません!!

 

管理費と修繕費は別物と考えよ!!

管理費は日常の管理にかかわる出費のため、入居者から管理会社に毎月支払われるものです。一方、修繕積立金は10年先20年、30年先のマンションの修繕に備えて、入居者が管理組合を通して積み立てるものです。新築購入時に、一時金として数10万円を集めるマンションも多く、マンションによっては、大規模な修繕時には不足分を集めることもあります。管理費と修繕積立金はまったく別のものです。もし管理会社が管理費の中に修繕積立金を組み入れて表示していれば、その明細をくわしく問いただし、明確に分けて会計業務がされているかチェックする必要があります。

「管理の質」でマンションは判断するべき!!

 

管理費

・共用部分の清掃費、ゴミ処理費

・共用設備の保守点検費

・エントランス、中庭などの植栽の維持管理費

・共用部分の消耗品費(電球交換、用具代など)

・共用部分の電気代・水道代

・共用部分にかかわる火災保険料や損害保険料など

・事務管理業務費(総会の案内や決議事項などの書類作成費、掲示板のお知らせ作成費など)

・管理組合の運営費

修繕積立金

・手すりなどのペンキ塗り替え費

・給排水管の取り替え工事費

・受水槽の取り替え工事費

・地震・台風など天災による被害の修繕費

・集合ポストの取り替え、駐車場・駐輪場の増設など、共用部分の変更

一般社団法人 マンション管理業協会

 

管理費と修繕積立金の違い

管理費

管理会社に支払う報酬額であり、毎月支払う必要がある金額です。管理費は、管理会社の質によって異なり、安くても良い管理をしてくれることが望ましいです。高額な管理費を払うのは避けるべきです。

修繕積立金

マンション全体の修繕に使われ、マンションの資産となります。安いからといって積立金を削減すべきではありません。修繕積立金は、必要な修繕を適切なタイミングで行うために必要です。

 

適正な金額の要因

管理費と修繕積立金の金額は、以下の要因に影響されます。

1. マンションの総戸数

小規模なマンションほど、管理費と修繕積立金は高くなりやすく、大規模なマンションほど低くなりやすい傾向があります。ただし、一部のタワーマンションは例外です。

2. 築年数

新築のマンションは修繕積立金が低く設定されがちで、築年数が経つほど高くなります。ただし、特に築年数に関連する決まりはありません。

3. 部屋の面積

管理費や修繕積立金は、部屋の広さに応じて設定されることが一般的です。面積が広い部屋ほど高くなります。

4. 共用施設の内容

共用施設の中でも、機械式駐車場など、維持に大きな費用がかかる施設があると、管理費や修繕積立金が高くなることがあります。

「管理」、理解して購入していますか?

 

適正な金額の目安

具体的な金額については、国土交通省が公表しているガイドラインがあります。このガイドラインによれば、平均的なマンションの場合、1平米あたり180円から220円が適正とされています。ただし、これは古いガイドラインのものであり、新しいガイドラインでは金額が上昇しています。特に大規模なタワーマンションの場合、修繕積立金の必要額が大幅に増加していることに注意が必要です。

管理状況の確認が重要

中古マンションを購入する場合、修繕履歴や今後の予定、現在の修繕積立金の金額、借り入れの有無などを確認することが重要です。これには管理会社が提供する書類を確認する必要があります。ただし、管理状況の判断が難しい場合、専門家のアドバイスを受けることが賢明です。

マンションの設備点検

マンション設備の点検には、法律に基づく法定点検と管理組合が自主的に行う定期保守点検があります。法定点検は専門の技術者によって行われ、その結果はマンション管理組合の代表者(理事長)への報告が義務づけられています。

長期修繕計画の目安

10年、20年先の建物の劣化を予測し、計画的に修繕資金を貯め、必要なら大規模修繕を行うのが長期修繕計画です。大規模修繕の前には専門家による調査・診断を依頼し、補修が必要な部位を決めてから複数の業者に見積りを取り、業者を選びます。

 

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