新築マンション購入を検討中の皆さん、特に最近のSUVをお持ちの方にとって、機械式駐車場は大きな悩みの種ではないでしょうか。問題は横幅です。今回は、マンション機械式駐車場の現実について、実際のサイズ制限や注意点を詳しく解説します。
特に新築をご検討の方は、横幅1950mm以上にこだわってください。
最近の車は大型化しています。
人気のSUV、あるいはミニバンの多くは、1850mm幅の機械式駐車場には入りません!!ハリアー、RAV4、レクサスNXは入庫できません。(レクサスNXは前期は1845mm幅なので入りますが、後期は1865mm幅なので入りません。)
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機械式駐車場のサイズ制限
一般的なサイズ制限について

Q: 機械式駐車場の標準的なサイズ制限は?

A: 車幅1.85m、車長5.05m、車高1.55mが平均的な制限値です。
機械式駐車場には統一規格がないため、設備によってサイズ制限が異なります。しかし、おおまかには以下の3つのパターンに分類できます。
機械式駐車場標準サイズ制限
項目 | 最小値 | 平均値 | 最大値 | 備考 |
---|---|---|---|---|
車幅制限 | 1.70m | 1.85m | 1.95m | 最も重要な制限項目 |
車長制限 | 4.70m | 5.05m | 5.30m | オーバーハングに注意 |
車高制限 | 1.55m | 1.75m | 2.10m | 階層により異なる |
車幅1870mmのSUVをお持ちの場合、多くの機械式駐車場で制限値をオーバーしてしまう可能性が高いのが現実です。特に、一昔前に設置された駐車場では車幅制限が1.85m以下に設定されていることが多く、現代の大型SUVには対応していません。
車種別の適合状況
車幅1.85m制限の機械式駐車場に適合する主なSUVは限られています。トヨタ「C-HR」、マツダ「CX-3」、日産「ジューク」、スバル「XV」といった比較的コンパクトなSUVが中心となります。
一方、人気の高いトヨタ「ハリアー」(車幅1855mm)、「RAV4」(車幅1855-1865mm)、レクサス「NX」(車幅1865mm)などは、多くの機械式駐車場で制限値を超えてしまいます。中古マンションを案内に行くと、機械市駐車場の横幅制限にひかかるお客様が非常に多いです。
人気SUV適合性ランキング
順位 | 車種名 | 全幅 × 全長 × 全高 | 適合度 |
---|---|---|---|
1 | トヨタ ハリアー | 1855 × 4740 × 1660mm | 30% |
2 | トヨタ RAV4 | 1865 × 4600 × 1685mm | 30% |
3 | ホンダ ヴェゼル | 1790 × 4330 × 1590mm | 70% |
4 | マツダ CX-5 | 1845 × 4545 × 1690mm | 70% |
5 | スバル フォレスター | 1830 × 4655 × 1730mm | 70% |
6 | 日産 エクストレイル | 1840 × 4660 × 1720mm | 70% |
機械式駐車場の隠れた危険性
機械式駐車場は限られたスペースを有効活用できる便利な設備ですが、その複雑な機械構造ゆえに特有のリスクが存在します。ここでは、事故や災害のリスクとその対策について詳細に解説します。
機械式駐車場における事故の実態
事故の統計と分類

Q: 機械式駐車場での事故はどのくらい発生しているのですか?

A: 20年間で32件の重大事故が報告され、そのうち12件が死亡事故という深刻な状況です。
国土交通省の『機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン』によると、1997年から2016年6月末までの約20年間で、少なくとも32件の死亡・重症事故が発生しています。
事故の重大度
事故の種類 | 件数 | 割合 |
---|---|---|
死亡事故 | 12件 | 37.5% |
重症事故 | 20件 | 62.5% |
合計 | 32件 | 100% |
これらの事故は主に装置内に人がいる状態で機械が作動するケースが最も多く全体の37.5%を占めています。次いで作動中の装置に侵入・接触する事故が21.9%、人の乗降・歩行時の転倒・落下が18.8%、車両の入出庫時の衝突が18.8%、そして装置の非常停止に関連する事故が3.1%となっています。
特に注目すべきは、全体の約6割が機械操作に関連する事故であるという点です。機械式駐車場は「動く機械」そのものであり、特に子どもにとっては興味を引く対象となりがちです。
具体的な事故事例

Q: どのような状況で事故が発生しやすいのですか?

A: 同乗者が車内に残されたまま操作された場合や、子どもが装置内に立ち入った場合などが特に危険です。
機械式駐車場で発生した具体的な事故例には様々なケースがあります。稼働中の装置内に子どもが立ち入って挟まれる事故や、入庫後に運転者が外から装置操作をした際に車内に残されていた同乗者が機械に挟まれる事故が報告されています。また、駐車場の前面ゲート上昇時に乗降用チェーンに同乗者の手が挟まれるケースや、パレットの隙間に足を踏み外して転落する事故も発生しています。
さらに操作キーを差したまま荷物の出し入れをしている間に、他の利用者が操作して事故になるケースもあります。自走式立体駐車場においても、駐車場内での人身事故、他の車との接触、スロープの勾配で車の下側を擦るなどの事故が報告されており、どのタイプの駐車場でも注意が必要です。
災害時のリスクと対策
水害リスクと対策

Q: 機械式駐車場は水害に弱いのですか?

A: 特に地下部分を持つタイプは浸水リスクが高く、排水ポンプの限界を超えると被害が拡大します。
自走式・機械式に関わらず、地下の駐車場は排水ポンプの限界を超えると浸水する恐れがあります。近年は台風だけでなく局地的豪雨の頻度が高まっているため、水害対策は非常に重要です。マンション選定時には各自治体の洪水ハザードマップを確認することが賢明です。
また管理会社の緊急時対応体制を事前に把握し、気象警報発令時の車両避難ルールについても確認しておくべきでしょう。一部の機械式駐車場では、緊急時に地下の車を一時的に地上に上げる対応が可能な場合もあるため、そうした機能の有無も確認しておくと安心です。特にピット式など地下部分を持つ駐車場では、浸水時の対応策について管理組合や管理会社に詳しく確認しておくことが重要となります。
地震リスクと耐震対策

Q: 地震の際、機械式駐車場はどのような被害が想定されますか?

A: パレットの落下や機械の故障など、車両の損傷や取り出し不能状態が発生する可能性があります。
東日本大震災では、エレベーター式立体駐車場で駐車室からパレットが落下する事故が発生しました。この教訓を受けて、最近では耐震性を高めた機械式駐車場の開発と導入が進められています。地震時の自動停止機能の搭載や非常用電源の確保、地震後の安全点検プロトコルの整備なども重要な対策として実施されています。
マンション購入時には、駐車場の耐震性能や地震時の対応マニュアルの有無を確認することをお勧めします。特に新しいマンションでは、これらの対策が充実している傾向にありますが、築年数の経過したマンションでは耐震補強の状況を確認することも大切です。
安全対策と予防措置
利用者が実践すべき安全対策

Q: 機械式駐車場を安全に使用するためのポイントは?

A: 操作前の安全確認、同乗者への注意喚起、子どもへの教育が重要です。
機械式駐車場を安全に利用するためには、まず操作前の安全確認が欠かせません。車内や装置内に人がいないことを必ず確認し、サイドミラーを格納して、貴重品や必要な荷物を取り出してから操作することが基本です。アンテナやキャリアなどの突起物にも注意を払う必要があります。同乗者への注意喚起も重要で、特に同乗者全員が車から降りたことを確認し、子どもや高齢者が車内に残っていないか二重確認することが事故防止につながります。
乗降時の安全な場所と手順を説明することも大切です。子どもへの教育としては、機械式駐車場は遊び場ではないことを教え、操作パネルに触れないよう指導し、駐車場内での行動範囲を明確に示すことが必要です。さらに緊急時の対応知識として、非常停止ボタンの位置を把握し、緊急連絡先を記録しておき、異常を感じたら無理に操作せず管理者に連絡するという基本的な対応を心得ておくことが重要です。
マンション管理組合の安全対策

Q: マンション管理組合はどのような安全対策を講じるべきですか?

A: 定期的な点検、利用者教育、緊急時対応マニュアルの整備が必要です。
マンション管理組合が実施すべき安全対策としては、まず定期的な保守点検が挙げられます。法定点検を年1回以上確実に実施し、日常点検の実施と記録を行い、部品の経年劣化状況を把握して計画的な更新を進めることが重要です。また利用者への教育と情報提供として、新規入居者への操作説明会の実施や安全利用マニュアルの配布、注意喚起の掲示物設置などを行うべきでしょう。
緊急時対応体制の整備も欠かせません。24時間対応の緊急連絡体制を確立し、災害時の対応マニュアルを作成して周知し、定期的な避難訓練を実施することが望ましいです。さらに保険と補償の確認として、機械式駐車場に関する保険の加入状況を確認し、事故発生時の責任範囲を明確化して、補償内容を居住者に周知することも管理組合の重要な役割です。これらの対策を総合的に実施することで、機械式駐車場の安全性を高めることができます。
最新の安全技術と対策
最新の安全技術

Q: 機械式駐車場の安全性を高める最新技術にはどのようなものがありますか?

A: センサー技術の向上、AI監視システム、遠隔監視などが導入されています。
近年の機械式駐車場には、様々な安全技術が導入されています。高精度センサーシステムとして、人体検知センサーの設置や車両サイズ自動計測システム、異常動作検知機能などが実装されるようになりました。
また監視・警告システムとしては、カメラによる死角の監視や音声ガイダンスによる注意喚起、操作ミス防止のためのインターロック機能などが採用されています。緊急停止・救助システムも進化しており、複数箇所に設置された非常停止ボタンや挟まれ検知時の自動停止機能、停電時の手動操作システムなどが整備されています。さらに遠隔監視・操作システムとして、24時間監視センターとの連携やスマートフォンによる状態確認、異常時の自動通報機能なども導入されつつあります。これらの技術により、機械式駐車場の安全性は年々向上していますが、それでも利用者の安全意識が最も重要であることに変わりはありません。
法規制と安全基準

Q: 機械式駐車場の安全基準はどのように定められていますか?

A: 建築基準法や国土交通省のガイドラインにより安全基準が設けられています。
機械式駐車場の安全性確保のため、様々な法規制や基準が設けられています。建築基準法における昇降機としての規制や国土交通省「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」、日本産業規格(JIS)による安全基準、駐車場法に基づく構造・設備基準などが主な規制となっています。これらの基準は定期的に見直されており、事故事例を踏まえた改正が行われています。
2018年には国土交通省のガイドラインが改正され、安全対策がさらに強化されました。マンション購入時には、これらの基準に適合しているかどうかを確認することも重要です。特に古い機械式駐車場では、最新の安全基準を満たしていない場合もあるため、管理組合による適切な更新計画が立てられているかどうかも確認すべきポイントとなります。
まとめ
機械式駐車場は便利な設備である一方、適切な知識と注意なしには重大な事故につながる可能性があります。特に車幅1870mmのSUVをお持ちの方は、サイズ制限に加えて安全面にも十分な注意が必要です。安全な利用のためには、マンション選定時に駐車場の安全設備や管理体制を確認することが大切です。
また操作方法を正しく理解し、毎回の安全確認を怠らないようにしましょう。家族全員に安全な利用方法を教育することも重要で、特に子どもには機械式駐車場の危険性をしっかりと伝える必要があります。災害時の対応策を事前に把握しておくことも忘れてはなりません。そして何より、異常を感じたら無理せず管理者に連絡するという基本的な姿勢が事故防止には欠かせません。これらの対策を実践することで、機械式駐車場の利便性を安全に享受することができます。マンション購入という大きな決断の際には、駐車場の安全性も重要な検討要素として考慮されることをお勧めします。
参考
広島では・・・
ここ広島では、
新築マンションは、機械式駐車場は横幅1,950mm以上にこだわってください。少し強い言い方になりますが、1,850mm幅の機械式駐車であれば、検討から外してください。
中古マンション検討においては、横幅1,950mm以上の機械式駐車場は稀有です。(タワー式は大丈夫です。)すなわち、現代の最新人気車種の多くは入りません。ですから、高さにこだわってください。1,550mmではなく、1,800mmや2,000mmでなければ、資産性は低いと考えた方が良いでしょう。
個人的には自走式がベストだと思っています。2階建て自走式の一階が個人的には最高です。
本当にハリアー・RAV4は1850㎜に入らないのか?
ハリアー、RAV4、レクサスNXは、本当に1850mmの機械式駐車場に入らないのでしょうか?
サイズ的にオーバーしているので、物理的に入庫できないのでしょうか?
現実的には入ります。
寸法的にも入りますし、センサー等もたぶん反応しないでしょう。
実際に1850mmの規格の駐車場に、1900mm全幅の外車を何度か入れたことがありますが、全く問題なく入ります。もちろんトラブル等も発生しませんでした。センサーも反応しませんでした。
専門業者に確認すると、センサーは両サイド5~8センチほど余裕があるそうです。
ですから、1850mm規格の駐車場に、ハリアー、RAV4、レクサスNXは、入れようと思えば入ります。
※入れて下さいとは言っていません。
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